最近日本の周辺では、米海軍の音響測定艦と測量艦の動きが目立っている。99年5月には音響測定艦が2隻横浜ノースドックに、測量艦が1隻ずつ佐世保と横浜に入港している。92年から96年にかけて、日本近海で原潜と測量艦がセットで行動していたようだが、いずれも場合も、大陸棚など比較的浅い水深の海域を調査していたと思われる。「大洋での艦隊決戦」という図式が冷戦終結と共に消え去り、原潜の任務がより沿岸地域での活動、場合によっては陸上への攻撃という、これまでの原潜運用方針からの転換が背景にあったと言えるだろう。
そこで、浅い海が苦手な原潜のため海底の正確な地図を作製する測量艦と、その地図を元に海底を移動し隠れる原潜、その隠れた原潜を追いかけ、「隠れ具合」を点検する音響測定艦がうろうろすることになった。
しかしこの数年は、浅海域の調査から大陸沿岸での実戦配備へと進んできたのではないだろうか。
その結果、測量艦は定期的に地図を作成するため大陸沿岸を調査し、音響測定艦はこれまでのデータを元に潜水艦の隠れ場所を捜索し、その結果を分析するため日本の港(横須賀・佐世保・沖縄)に入港するケースが増えたようだ。
(追補)6月10日に、横浜ノースドックに停泊中の測量艦サムナーで、「テロリストの襲撃」に対処する訓練がキャンプ座間の警備担当者たちによって行われたという記事が出ていた(星条旗新聞)。「テロリスト」が乗り込むほど沿岸に近いところで作戦していることの証ではないだろうか。
関連ページ:前畑弾薬庫岸壁で測量艦が弾薬積み込み