米海軍の測量(海洋調査)艦、佐世保に大集結


米海軍立神岸壁のジョン・マクドネル(奥)とマリー・シールズ(手前)。後方に赤崎岸壁に停泊している測量艦2隻が見える


米海軍基地赤崎岸壁に並んだサムナー(左)とB・C・へーゼン(2枚とも7月15日撮影)

朝鮮半島でのミサイル騒動が続く中、7月15日までに米海軍佐世保基地に米海上軍事輸送コマンド(MSC)に所属する測量(海洋調査)艦5隻が終結した。

入港したのはパスファインダー(pathfainder)クラス6隻のうち4隻とジョン・マクドネル(John McDonnell)で、実にMSCが運用する測量艦7隻中5隻が佐世保に集まったことになる。

 04年9月にも測量艦3隻がほぼ同時に入港したことがあるが、このときは東シナ海を台風が通過していたため、台風避難のためと思われた。
 今回も台風3号と4号が相次いで東シナ海を通過したことも影響したのだろうが、台風通過後にも入港が続いた。

修理及び装備機器の交換のためと思われるボウデイッチ(4月12日入港)が佐世保重工の修理専用岸壁に長期停泊した後、ブルース・C・へーゼン(7月11日)、サムナー(7月12日)、ジョン・マクドネル(7月12日)、マリー・シールズ(7月15日)の順で入港した。

 数年前から測量艦の入港が目立っていた(04.9.25 佐世保は米測量艦の溜まり場に 参照)が、太平洋に展開していると思われるすべての測量艦が集中するのは初めてである。

 ミサイルに対する監視あるいは調査能力はもちろんないので、今回の騒動と直接は関係がないのだろう。しかし入港中の1隻ジョン・マクドネルは01年4月、中国・海南島沖で起きた中国空軍機と米海軍の偵察機が空中衝突した件に関し、海中に投棄された機材を回収に向かった実績がある。

 今回も同様に海中に没した「何か」を回収に向かうことも考えられる。すでにサルベージ能力を持った潜水艦救難艦セーフガードが、行く先は不明だが15日に出港した。

 また他の測量艦に関係するものとしては、海底ケーブル敷設艦ゼウスがほぼ毎月のように佐世保に入港している。 今までのところこの2種類の艦船を結びつけるものは確認されていないが、佐世保が事実上海洋調査の拠点となっていることが想像される。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


佐世保重工の岸壁で機器の交換に当たるボウデイッチ(4月18日撮影)


'2006-7-16|HOME|