米海軍佐世保基地の動き=2009年= はじめに


 原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備されて以降も原子力空母の寄港が続いている。

09年も2月に原子力空母ジョン・C・ステニスが寄港し、これで06年以降4年連続の寄港となった。相次ぐ寄港の理由として、 日米安保条約に基づく米軍戦力のプレゼンス、といわれている。 あるいは西太平洋における空母2隻体制を証明するためという捉え方もある。
しかし、相次ぐ寄港で明らかになったのは、佐世保地域での補給・休養には限界があり、空母戦闘群(CSG)を佐世保だけで支えるの は困難であることも明らかになった。
結局、太平洋を3週間かけてわたってきた乗組員の休養(歓楽)場所は他の港(韓国・プサン、フィリピン・マニラ、中国・香港)で まかなうことも慣例化してきたようだ。

 原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備されたことは、第7艦隊の補給機能を受け持つ佐世保基地にもさまざまな影響を与え ているが、08年に続き09年も駆逐艦や巡洋艦の寄港回数が増加した。その艦隊の燃料補給支援のための燃料補給艦の寄港回数は、 08年より減少はしたが、それ以前と比較すると増加している。

 一方、佐世保基地に配備されている揚陸艦隊はほぼ例年と同じように沖縄に駐留する海兵隊を乗せて、アジア各地での訓練に出かけた。 また、アジア各地の自然災害の救援にも出かけ、「人道支援」をアピールした。

 08年8月、佐世保や沖縄に寄港していたロサンゼルス級の原子力潜水艦ヒューストンから放射能を含んだ冷却水が漏れ出ていたこと が明らかになったが、その後も「安全は証明された」として原子力潜水艦の寄港は続いている。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


佐世保母港艦船の動き
駆逐艦・音響測定艦の集中入港
多かった洋上補給艦の寄港
09年入港艦船一覧


2010-1-28