横浜ノースドックの改修工事始まる
−陸軍大型揚陸艇の最終保管場所−


J,K,Lバースの改修工事(12.23撮影)

横浜ノースドックの先端東側のJ,K,Lバースの改修工事が始まった。11月には、バースの舗装を剥いで土を掘っていたが、12月に入って、コンクリートミキサーやコンプレッサーによる作業に変わっている。
この工事は米軍の直接発注工事で、防衛施設庁経由ではない。工事の入札情報は、6月末にFBOのページに出た。「ノースドックのJ,K,Lバースの浚渫」という表題で、工事の内容は、浚渫のほかに舗装、フェンス、係船柱が上げられている。
横浜ノースドックの米陸軍舟艇、最終保管場所は?(03.08.14 アップ)で触れたように、このJ,K,Lバースは現在「表側」に並べられている大型揚陸艇(LCU2000)の最終保管場所に指定されている。
昨年の搬入時からなぜ直接J,K,Lバースに係留しなかったのか。この理由は、陸軍舟艇の保守管理業務 要綱の中に書かれている。「サイト4(J,K,Lバース)は浚渫の必要がある。浚渫プロジェクトが未定のため、サイト3(Cバース)に暫定的にLCUを係留する。暫定期間は3〜5年となろう」(2002.7.30付け文書) この保守管理業務要綱は、2002年8月に始まる陸軍舟艇のノースドック搬入を前に、保守管理を担当する業者を募集した際の付属文書だ。ちなみに、この保守管理契約をゲットしたのは、米国のITT社システム部門だ。(Systems Division News ITT Industories Jan,2003の3ページ目)
外から見る限りでは、J,K,Lバースの埠頭部分の工事が進んでいるだけで、浚渫までは手が回っていないようだ。しかし、3年から5年後という当初の目論見を上回るスピードで、陸軍舟艇の保管場所が最終型に近づいている。予定される10隻のLCUが全部、今はほとんど使っていないJ,K,Lバースに移ったときには、Cバースが「解放」されて、ノースドックの係船機能は従前のものに回復される。ノースドックの基地機能は、陸軍舟艇の保管機能が純粋に上積み強化されることになる。


工事が進行中の埠頭と、係留予定の舟艇(米軍文書を使って作成)


仮の置場(Cバースほか)に7隻並ぶLCU2000大型揚陸艇

(RIMPEACE編集部)


'2003-12-25|HOME|