総合防災訓練の前後、横浜NDにも陸軍拠点設営



迷彩シートの下からコンテナサイズの管理用ユニットが現れた(10.9.3 撮影)
 

9月1日に伊豆半島東岸の伊東で開かれた総合防災訓練に、キャンプ座間の米陸軍第1軍団前方司令部が参加していた。
同司令部の車両やテントなどを、横浜ノースドックから伊東まで海上輸送したのは、ノースドックに戦時のために備蓄されている陸軍 上陸用舟艇セットの中の、大型揚陸艇(LCU)2隻だった。

8月30日に2隻のLCUが軍用車両などを積み込んでノースドックのGバース待機していた。そのすぐ近くに、薄茶色のテント状の ものが立てられていた。
防災訓練の翌日の9月2日に、訓練に参加した第1軍団前方司令部の車両がLCUに積まれてノースドックに戻って来た。その日の うちに車両は埠頭に上げられ、LCUは30日と同じバースに戻った。薄茶色のテント状のものも30日と同じ状態で残されていた。 総合防災訓練の前後、ノースドックと伊東の間の軍用車両などの輸送の始まりから終わりまで、このテント状のものがLCUの停泊する バース近くに置かれていた。

その翌日の3日、砂漠迷彩のシートがはがされて、砂漠迷彩のコンテナ2つが姿を見せた。1つのコンテナには電源ユニットが入って いて、もう一つのコンテナと太いチューブでつながっていた。もう一つのコンテナは、側面が左右に展張して床面積が3倍になるタイプ で、ここに輸送管理や現地との連絡をとる部隊が入っていたと思われる。

電源ユニット入りのコンテナの側面には PROPERTY OF USARMY の文字が書かれていた。座間から持ち込んだものか、横浜ノースドックの 倉庫に備蓄してあるものなのかはわからない。ただ、司令部部隊が動くときにこの種の装備が同時に動くことは間違いない。

伊東市の総合防災訓練会場に建てられた陸軍のテントは濃緑色のものだった。ノースドックの埠頭上に設営されたのは、中東での使用を 前提とした砂漠迷彩色の機材だった。
米軍に限らず、軍隊が防災訓練に参加するときは、戦闘遂行のための訓練とダブる側面が出てくる。指揮通信、補給などはその最たるもの で、今回の海上輸送管理と見られる後方支援もその一つだ。

砂漠迷彩で固めたシートやコンテナのユニットに、中東での戦闘行動のための訓練の側面が色濃く出ているのが感じられた。

(RIMPEACE編集部)

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陸軍舟艇、第1軍団車両を積んで伊東往復(10.9.2)


防災訓練のために運ぶ第1軍団前方司令部の車両を積んで待機する2隻のLCU


LCUが停泊するバースの近くに、砂漠迷彩のシートをかけたテント状の野営施設が出現した(10.8.30 撮影)


2010-9-5|HOME|