音響測定艦の曳航ソナーのメンテも横浜NDに/1


同時に3隻の音響測定艦が並ぶ横浜ノースドックの岸壁。1年前までは、音響測定艦の入港自体が稀だった(2019.8.23 頼 撮影)

潜水艦探知のためのアクティブ・パッシブソナーを備えた米海軍の音響測定艦の活動拠点が、佐世保から横浜ノースドックに戻ってきた。入港パターンの変化からも明らかだが (音響測定艦の準母港、佐世保から横浜NDにシフト(2019.8.11)参照)、装備の面からも変化がわかる。

海中に長く伸ばして潜水艦の出す音の方向をつかむ曳航ソナーは、音響測定艦の主要な装備だ。太めのチューブの中に海中音を拾うマイクロフォンとケーブルを多数収めて、隙間に油を詰めたもの だ。長い曳航ソナーは、音響測定艦が航海から戻ると点検され、必要に応じて交換される。
音響測定艦の艦内では、曳航ソナーはデカいリールに巻きつけることで、その出し入れを行う。準母港に戻った時に、艦内のリールから艦外に曳きだし、巻き取ってしかるべき検査場所に運ぶ。

10年以上前に、横浜ノースドックが音響測定艦の準母港の機能を果たしていたころも、この曳航ソナーを巻き取る大きなリールがノースドックに置いてあった。リールの大きさは、曳航ソナー の長さに応じてずいぶん横幅があった。


Bバースに入ったビクトリアスと、ソナーを巻取り中の大型リール(06.1.27 頼 撮影)

この長いリールと艦内のリールをむすぶのが曳航ソナーのケーブルだ。
下の2枚の写真は、2006年5月5日、Fバースに長期停泊していた音響測定艦インペッカブルの曳航ソナー巻き取りのシーンだ。
ケーブルが茶色いのは、中に充填された油の色かもしれない。(続く)

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)



横浜港内観光船から見た、インペッカブルの曳航ソナーの巻き取り。相当長いものをまきとっている。(06.5.5 頼 撮影)


2019-10-11|HOME|