'96年12月8日 星条旗新聞

グアム補給部隊の日本移転に抗議している
K.L.アルストン記者、ドノバン・ブルックス記者------東京発


 グアム選出の唯一の下院議員の反対にもかかわらず、海軍はチャーター船の運用基地をグアムから日本に移そうとしている。グアムの海軍基地は閉鎖の対象になっているために、ディエゴ・ガルシアの海軍支援施設の船の母港を横浜の陸軍基地ノースドックに移すことを決定した。
 しかし、投票権のない下院議員のロバート・アンダーウッド代表は、
「失職するグアムの労働者は、不公平な競争の犠牲者だ。」
 とクレームを付けている。ノースドック駐留の陸軍輸 送管理コマンド第1316中規模港湾部隊司令官マーク・シャンシェッティ中佐によれば、極東軍事海上輸送コマンドにチャーターされた定期便は、食糧、スペア・パーツ、装備品その他一般補給物資を4万トン、年に4回ディエゴ・ガルシアに輸送するという。
 陸軍輸送管理コマンドと、横須賀に近い海軍艦隊支援センターの指揮下で、横浜での業務開始は1月12日からと予定されている。
 ハワイの太平洋軍司令官ジョセフ・プルーアー大将に宛てた8月1日付けの手紙の中で 、
「この移管によってグアムの艦隊補給センターで働く43人のアメリカ人労働者が職を失い、横須賀(の艦隊補給センター)では26人の日本人労働者を追加で雇用することになる。」
 とアンダーウッドは
さらに、軍事海上輸送コマンドは、
「グアムでアメリ カ人のポストを26削り、13ポストを日本で増やすだろう。」
 と言っている。この移転の決め方はグアムにとって不公平なやり方だ。
「米国領内では船積みに税金がかかる、しかし、他国にはこのような不利な点がない。」
 とアンダーウッドは太平洋軍司令官に訴えた。 当時の太平洋艦隊司令官ロナルド・ズラトパー大将は9月26日付けの返事の中で、
「この決定は困難なものだった。しかし、この決定で海軍は年間280万ドル節約することが出来る。」
 と言った。さらに大将は、
「海軍はもっと安い代替施設を提供するチャンスをグアムの政府に与えていた。」
 とアンダーウッドの注意を喚起した。
 しかし、議員のスポークスマン、ビンス・レオンゲレーロによれば、海軍の提案は既に定期輸送便の移管が決まった後で行われた。彼によると、アンダーウッドがこの提案に応えようと思い、貨物全体のトン数を海軍にたずねたが、返ってきたのは一般的な情報だけだった。
 第1316中規模港湾部隊のロバート・バイヤーズ総務部長は
「この定期輸送に関して、新たな問題を一つ解決しなければならない。日本政府は、船による危険物の輸入を禁じている。だから、この問題が生じないように危険物をディエゴ・ガルシアに空輸するかもしれない。」
 と言っている。
 ディエゴ・ガルシアはインド洋の真ん中、オーストラリアの西約 3,300マイルにある小さな島だ。この海域で行動する海軍艦船に補給品や弾薬、装備を提供するのが、ディエゴ ・ガルシアの基地の任務だ。

横浜ノースドックへの米海軍補給センター任務の移管について
8.12.18 日米安全保障条約課


 12月8日付「星条旗新聞=スターズ・アンド・ストライプス」紙掲載の本件関連記事に関して、在京米国大使館を通じ在日米軍に随時照会を行ってきたところ、昨日、以下のとおり回答した。

1.在グァム海軍補給センター(Naval Fleet and Industrial Supply Center)の閉鎖に伴 い、同センターの任務が、1997年1月13日以降、横浜ノースドックに移管される予定である。

2.同移管に伴い横浜ノースドックへの新たな部隊の移駐はない。

3.本件によって、コンテナ補給船は年8回、横浜、シンガポール、ディエゴ・ガルシア間を45日サイクルで往復運行されることとなり、その間、横浜にはそれぞれ4〜5日停泊する予定であり、横浜を母港とするものではない。

4.コンテナ補給船は、軍事海上輸送司令部を通じて契約された、民間人が運行する米国軍籍貨物船である。

5.横浜ノースドックで取り扱う補給品に、弾薬は含まれない。

6.これに伴い、横浜ノースドックは、17人の日本人労働者を追加的雇用する予定。グァムでは4人が解雇される予定。 (了)                   

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