トマホーク、駆逐艦バリーに積み込み


8月30日朝の浦郷弾薬庫。ミサイルなどの弾薬を船に移すためにバージに積み込む作業中


バージに積み上げられたミサイル入りキャニスター。US NAVY等の表示と、爆発物を示すオレンジ色のステッカーも見える


上の写真の拡大。ROCKETS、LIQUID FUELED の文字。液体燃料を使う巡航ミサイル・トマホークが中に入っている

深浦のボートパークを出港したヨコスカ平和船団のボートが浦郷弾薬庫の弾薬用の桟橋の前を通りかかった。8月30日、日曜日の朝だった。
日曜なのにミサイル・弾薬入りのケースを沖の米軍艦に運ぶために、弾薬庫から出してバージに積み込む作業が行われていた。

駆逐艦や巡洋艦の垂直発射装置(VLS)に挿入する白いミサイル・キャニスターが2段積みで、すでにバージの上に並んでいた。
そのキャニスターに"ROCKETS、LIQUID FUELED"の文字。米海軍がVLSに装填して飛ばすロケットで液体燃料なのは、巡航ミサイル・トマホークだけだ。
横須賀基地のマスターピアから前日に錨地に移動している駆逐艦バリー(DDG 52)にトマホークを積み込む前段の作業が、目前で繰り広げられていた。


トマホークなどを積んで沖の駆逐艦に向かうバージが、横須賀本港の入り口付近をかすめていった


錨地で弾薬積み込み作業を開始した駆逐艦バリー。大型クレーンは、バージに載せてある黄色いクレーン車のもの

平和船団が横須賀本港に向かい、逸見桟橋から出航目前の護衛艦むらさめの近くで、横断幕をかかげ、乗組員にトラメガで「中東に行かないでください」と訴えていたときに、横須賀 本港入り口付近を、タグボートに押された弾薬バージ(16番)が沖に向かって進んでいくのが見えた。バージの上にミサイル・キャニスターが2段に積まれているのも見えた。

むらさめが出港した直後に、後を追って本港から出た平和船団からだいぶ遠くの錨地に停泊している駆逐艦バリーに、弾薬積み込み作業が始まっている様子がうかがえた。

3年前、横須賀配備の駆逐艦フィッツジェラルドが、横須賀を出てすぐに衝突事故を起こし、傾きつつ横須賀に戻ってきた。12号バースでそのフィッツジェラルドから弾薬を抜き取った 中に、トマホークも含まれていた。
横須賀から出航する駆逐艦がトマホークを積んでいた。

今回のバリーもトマホークを積んだ。防御のための対空ミサイルではなく、トマホークは精密爆撃を行うミサイルだ。横須賀から出撃する駆逐艦は、どんな場合でも何発か(もしくは何十 発か)のトマホークを積み、予期されない攻撃指令にも対応できるようにしている、とみて間違いないだろう。

30日にバリーに積むためにバージで運ばれた以外にも、浦郷弾薬庫の野積み場にミサイル・キャニスターが置かれていた。それにも液体燃料ロケットの表示があった。
一体何発のトマホークが、浦郷弾薬庫に保管されているのだろう?

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(2020.8.30 平和船団のボートより 頼 撮影)

[参考ページ]
17.6.25 ヨコスカ平和船団同乗記 その2 フィッツジェラルドはトマホークを積んで任務に出ていた (2017-6-27)


バージに積み込まれて輸送される前に野積み場に並べられたミサイル・キャニスターにも "Rockets、Liquid Fueled" の表記があった。


2020-8-31|HOME|