国連軍として横須賀に入港した英軍艦


横須賀基地に入港中のグレイローバー。右はイージス巡洋艦チャンセラーズビル(7.9 撮影)

7月7日、米軍横須賀基地に入港した英海軍タンカー・グレイローバーは、やはり国連軍としての入港だった。法的根拠は日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定 昭和二十九年六月一日条約第十二号、となる。

日付をよく見てほしい。この国連軍は、朝鮮戦争時の国連軍なのだ。たしかにまだ「休戦中」だが、それにしてもこんな協定を使って入港してくる船がいまだにいるのだ。対象国は、米国以外の国連軍派遣国軍で、1992年の質問趣意書に対する答弁 では、オーストラリア、カナダ、フィリピン、フランス、ニュー・ジーランド、タイ、英国としている。

『「国際連合の軍隊」とは、派遣国の陸軍、海軍又は空軍で国際連合の諸決議に従う行動に従事するために派遣されているものをいう。』(同地位協定第一条(d)) イギリス軍のタンカーは、国際連合の諸決議に従う行動に従事するために航海して、横須賀に寄港したことになる。

このタンカーの横須賀寄港に関する英国大使館の発表には、『日本訪問に先だって、香港、上海、青島、仁川、ウラジオストックを訪れました』とある。朝鮮戦争に義勇軍を送って国連軍と対峙した中国の港に、休戦中に国連軍の艦船が入港した、ということにはならないのかな。

親善訪問を茶化すつもりはない。朝鮮戦争当時の地位協定を使って横須賀に入港する理屈が立たないのではないか、と言っているだけだ。横須賀選出衆議院議員の小泉さんは、この地位協定はまだ必要だと考えているのだろうか。「備えあれば憂いなし」で、当時のスキームのままの朝鮮戦争の再発に備えているんじゃないんだろうね。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]
今度は英軍艦が入港した横須賀基地(04.7.7更新)


'2004-7-10|HOME|