普天間ヘリの燃料漏れとエセックスの出港


燃料漏れの起きた直後に嘉手納基地の南を通過した普天間のAH1の編隊(09.6.17 撮影)


ヘリはCH46しか見えない普天間基地(09.6.20 撮影)
 

6月17日午前11時ころ、普天間基地の中で海兵隊ヘリUH1が燃料漏れ事故を起こした。エンジンを始動させた際に燃料が流出したと のこと。

この時点で、普天間のヘリ部隊はどんな状況下にあったのだろうか。
31MEUに組み込まれたヘリ部隊HMH−262(Rein)は、ほとんどがエセックスに載って16日にホワイトビーチから出港していた。 ただエセックスの艦上にAH1の姿は見えず、UH1も1機しかいなかった。

17日の普天間基地での燃料漏れの直後の正午前に、AH1の2機編隊が嘉手納基地の南側を北に向かって通過した。出港翌日のエセック スに載るための飛行だったと見られる。そして燃料漏れを起こしたUH1も同様にエセックスに向かおうとしていたのではないか。
その翌日から、普天間基地の駐機場にUH1、AH1の姿は見えない。

5年前の2004年8月13日、普天間基地のCH53D重輸送ヘリが沖国大に墜落した。このとき、31MEUはペルシャ湾に向けて出動する 直前だった。動員直前の激しい訓練と、それに伴う整備の増大が整備兵に疲労を蓄積させた。事故報告書からは、この過大な任務の連続が 事故を引き起こす要因の一つだったことがうかがえる。

今回の燃料漏れは、幸い墜落などの大事故にはつながらなかったが、底流は同じだ。部隊展開直前の忙しさの中で、決められた点検確認が なされていなかったから起きた事故なのだ。
あの墜落事故のあとでとられた改善措置は機能しなかったとしか言い様がない。墜落事故も燃料漏れ事故も一過性のものではない。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]
事故報告書を読む  イラク派遣が事故の遠因ではなかった か?(2004.10.22)
揚陸艦隊、ホワイトビーチ出港(2009.6.16)


2009-6-25|HOME|