はるばる海南島近海まで、音響測定艦進出中


米軍の音響測定艦の位置(赤印)と主な寄港地(発進拠点)


音響測定艦の在日米軍基地への寄港状況

海南島沖の南シナ海で行動中の音響測定艦インペッカブルが、3月8日に中国の旗を掲げた船に航行を妨害された、と第7艦隊ニュースで 報じられている。
音響測定艦ビクトリアスは4日に、中国の沿岸警備隊の船にスポットライトを浴びせられたとのこと。

音響測定艦は長いパッシブソナー列を曳いて潜水艦の出す音をキャッチして、潜水艦の位置を特定するのが任務だ。海南島の近くや黄海で 活動している音響測定艦の主要なターゲットが中国の潜水艦であることは、容易に想像がつく。
国務長官の北京訪問や、空母ステニスの香港寄港の直後に、米海軍と中国艦艇の間で小競り合いが続いていることになる。

米海軍の音響測定艦全5隻が、横浜ノースドックを実質的な母港とし、那覇軍港を主要な前線寄港地として動いている。小競り合いの 発生した時期の音響測定艦の位置をプロットしてみると、米海軍の偵察が中国の海岸線のすぐ近くにまで及んでいることがわかる。
そしてこれらの音響測定艦の哨戒海域の広がりと、沖縄がまさにこの哨戒海域のキーストーンになっていることに、改めて気づかされる。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]
第7艦隊ニュースChinese Vessels Shadow, Harass Unarmed U.S. Survey Ship

[関連ページ]
音響測定艦、たて続けに佐世保寄港(09.3.8)
横浜ノースドック・2008年まとめ−1 音響測定艦の出入りと 行き先(09.1.13)


横浜ノースドックに停泊中の音響測定艦エイブル(右)とロイヤル


出港間近のロイヤルに積み込まれる大量の食料。何週間も海上にとどまるための食料だ(09.3.9 撮影)


2009-3-10|HOME|