横浜NDに音響測定艦3隻戻る
短い試験航海から横浜ノースドックに戻って来た音響測定艦インペッカブル
180度方向転換して音響測定艦エイブルの隣のバースに近づくインペッカブル
最新の音響測定艦インペッカブルが、8ヶ月離れていた横浜ノースドックに戻ってきたのが8月25日。その後インペッカブルは2回、短
い航海を行った。ひとつは台風避難で横須賀に、もう一つが足掛け3日の試験航海だ。
9月7日に試験航海からインペッカブルが戻ったとき、ノースドックの岸壁には音響測定艦2隻(エフェクティブ、エイブル)が先に停泊し
ていた。
エフェクティブは6月5日にノースドック(ND)出港、7月下旬に佐世保に寄港している。エイブルは6月27日にNDを出港、直後に
那覇軍港に寄港している。
この3月の米軍のニュース報道によれば、インペッカブルが南シナ海で音響データ収集中に中国船舶に妨害行為をされた。同時期、黄海で
も別の音響測定艦がサーチライトの照射を受けた。
5隻いる音響測定艦が南シナ海と黄海に分かれて、中国海軍の潜水艦などのデータを収集しているのは間違いない。
「中国が米国に、軍事偵察をやめるように要求」と8月28日付のガーディアン紙が伝えている。
「中国の政府筋は、米軍が中国沿岸で展開している軍事偵察行動を、両国の関係に悪影響を与えているからやめるように、と求めた」「
中国の排他的経済水域内で行動する米海軍の情報収集船と中国の船との間の問題が、2国間の友好関係に繰り返し水をさしている」「中
国は、排他的経済水域における外国軍隊の偵察行動を制限する権利がある、と主張する。しかし米国は国際法によって認められている、と
主張している」
3月以降も米軍の音響測定艦が中国海軍の主要な基地に面した黄海や南シナ海で行動している。
音響測定艦が横浜ノースドックに戻ってくる間隔が長くなったり、代わりに佐世保や沖縄に寄港することが増えたのは、黄海や南シナ海
が主要な偵察海域になっていることを示すものだ。
3隻がノースドックに戻ってきたのは、その任務が一段落したという可能性も無きにしも非ずだ。しかしまだ2隻の音響測定艦ロイヤルと
ビクトリアスが2つの海域をカバーしていると見られる。横浜に戻って来た3隻の音響測定艦の滞在日数が短ければ、複数で中国海軍の
主要な動きを探る態勢が続くとみてもいいだろう。
(RIMPEACE編集部) (写真は 09.9.7 撮影)
[参考ページ]
音響測定艦インペッカブル、8ヶ月ぶりに横浜入港
(2009.8.27)
はるばる海南島近海まで、音響測定艦進出中(2009.3.10)
3隻並んだ音響測定艦。左からエフェクティブ、インペッカブル、エイブル
2009-9-7|HOME|