レイク・エリー、新潟に入港


10月11日、新潟港に入港したレイク・エリー(「山のたぬき」さん撮影)

米海軍のイージス巡洋艦レイク・エリーが新潟港に11日に入港した。港湾管理者に届けた理由が「補給と乗組員の休養」だそうだ。9月末まで横須賀基地に寄港していて、出港後10日ほどで補給も休養もないだろう。形式的な入港理由で済まそうとする米軍にたいしては、タイコンデロガ級イージス巡洋艦は、10日で補給が必要なほど小さな船だったのかね、と言いたくなる。

レイク・エリーはこれまで新潟港(10.2-5)、苫小牧港(10.8-11)に入港を打診、申請していずれも岸壁に空きがないと断られている。今回の入港は「三度目の正直」というより、なりふりかまわぬ入港策動の結果、と言える。

新潟初寄港の目的が、入港実績作りであり入港に伴うさまざまな環境調査であることは、明らかだ。この船は、海軍版ミサイル防衛で、新型迎撃ミサイルSM3の発射実験に専念していた。日本海でのミサイル防衛活動が第7艦隊の新任務となった。横須賀からカーティスウィルバーが初派遣されて、探知のほうはすでに本番となった。SM3の実戦配備とともに、「打ち方」のイージス巡洋艦も日本海に配備される。「即戦力」のレイク・エリーが日本海に展開する可能性は高い。

日本海にイージス艦をウヨウヨ展開させて、補給拠点を近くに求めるのが米海軍のやりかただ。横須賀やハワイに戻すよりもずっと効率がいいからだ。横須賀のカウペンスも含めて、何度も新潟や苫小牧寄港を画策したのはそのためだ。

レイク・エリーは、ミサイル実験に専念した後、この8月から久しぶりに長期の航海に出た。リムパック参加を含めて、4ヶ月間にいくつかの大きな演習に参加するとのことだ。(NAVY newsstand 04.8.26)
4ヶ月たったらハワイに戻るのだろうか。ちょうどそのころに退役を迎えそうなイージス巡洋艦が横須賀にいる。「第7艦隊の今年の変化は、フィッツジェラルドが加わったことだけではない。カッシングとビンセンスが今年の終わりまでに退役するかもしれない」(第5空母戦闘群司令官)(04.10.2 星条旗新聞)

スプルーアンス級駆逐艦の引退は既定路線だ。タイコンデロガ級イージス巡洋艦のうちの初期の5隻(ビンセンスもこの中に入る)の退役も、数年前から言われてきた。今年中に、横須賀常駐艦のうちのさらに2隻が新鋭艦と交代するかもしれない。そのとき、ミサイル防衛の即戦力であるレイク・エリーが配備されるのは、十二分にありうることだ。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]
「横須賀からミサイル防衛」の始まりか?(04.9.28 UP)
日本海哨戒MD第1号はカーティスウィルバー....(04.9.30 UP)


54番がカーティスウィルバー、その後ろがレイク・エリー。9月末に、ともに日本海に向かった。(04.9.26 撮影、横須賀基地)


'2004-10-11|HOME|