平和船団ヨット「おむすび丸」の前を強引に横切った米軍警備艇(04年10月31日 撮影)

米軍、100%の過失を認める。平和船団ヨット破損事故で

米軍警備艇の妨害で平和船団ヨット「おむすび丸」のワイヤーが切断された事件で、米軍は100%の過失を認め、損害額全額を防衛施設局が支払うという通知が「おむすび丸」船長の市川さんのところに来た。

この通知が出るまでに、事件から1年半近くかかったこと、また文面に(米軍になりかわっての)お詫びの言葉のカケラもないことが気に食わないが、海上の事故で米軍が100%の過失を認めることはきわめて稀なことだ。

海上保安庁が警戒する目の前で米軍が起こした事件だったこと、現場写真もあったこと、などアイマイな「解決」が出来ない条件は揃っていた。
しかし、最終的に100%の過失を米軍が認めたのは、放置すればますます米軍に対する批判が強くなるという現実ではなかっただろうか。

「大風呂敷を帆に上げて」20年以上も前から横須賀軍港に小舟やゴムボートを走らせているヨコスカ平和船団の、しつこくてユニークな活動は、米軍や防衛施設局も無視し得ないものだった。軍港の中を合法的に走り回れるんだ、ということを実際に船を出すことで全国にアピールし続けたことが、今回の認定と賠償決定にもボディーブローのように影響していたことは間違いない。

原子力空母の横須賀配備が企てられ、かたやミサイル防衛の最前線の基地としてイージス艦がどんどん配備されている横須賀基地、そして空母の唯一の米国外配備基地としての横須賀基地。
米軍再編の動きからも超越した形で、横須賀基地の機能強化はハイピッチで進められている。そんな中で、ヨコスカ平和船団の活動はますます注目されている。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]
平和船団ヨットのワイヤー切断 米軍警備艇の意図的な危険操船(2004.10.31)
ヨコスカ平和船団ヨットのワイヤー切断事件 「今後、無用な接近をさせない」、当直司令明言 (2004.11.12)


'2006-5-2|HOME|