横須賀に居座っていた原潜テキサスは今...


3月9日にパールハーバーに戻った原潜テキサス (US NAVY OFFICIAL PHOTO)

2月5日から3月1日まで26日間横須賀基地の13号バースに停泊していたバージニア級原潜テキサス(SSN 775)は、2月中に少なくとも3回、横須賀から出港しようとした。そのたびに出港を中止して、 3月1日にやっと横須賀から出て行った。それでは、テキサスは「元気に」任務に励んでいるのだろうか?

なんと、標準6か月のディプロイメントの期間を一か月半近く残して、3月9日に母港のパール・ハーバーに戻っていた。ちなみに、テキサスの2011年の任務航海は6か月、またパールハーバーの僚艦バージニア級原潜ハワイ(SSN 776)は、2014年のディプロイメントが7か月、2012年が6か月だ。
3月10日付けのNAVY NEWS によれば、艦長は「潜水艦も乗組員も、とてもよく働いた」と話したそうだ。だが、横須賀での度重なる出港延期、そして、そのまま母港に戻っていったのを見れば、航海中に途中の基地では直せないような問題が原潜テキサスに起きていた、とみるのが当然だ。

2月28日のRIMPEACEの記事「まだ横須賀基地にいる原潜テキサス」で触れたように、直前の出港延期が繰り返されたことから、原潜の動力系、つまり原子炉に何らかの異常が生じていた可能性が大きい。おそらくフォールイーグルの行われている前後に、テキサスも演習に加わるか、演習を偵察に来る中国などの原潜の警戒にあたる任務が課せられていたはずだ。この時期に、通常の航海期間を短縮して西太平洋から離れてしまうのは、よほどのトラブルがあったせいだろう。

2月に横須賀13号バースで、原潜がどんな修理を受けていたのか、放射能漏れは検出されなかったのか、あらためてチェックが必要だ。

(RIMPEACE編集部)

[参考ページ]

  • 原潜テキサス、また横須賀寄港(16.2.5更新)
  • まだ横須賀基地にいる原潜テキサス(16.2.28更新)


    13号バースから出港準備中の原潜テキサス。結局出港しなかった。後方は原子力空母ロナルド・レーガン(2016.2.12 撮影)


    2016-3-19|HOME|