白神低空飛行と上ノ国爆撃訓練


報告書に添付されていたルート図
報告書によれば、事故機を含むF16の4機編隊は、まず天ヶ森射爆場で爆弾投下を行い、次に低空飛行に(新米パイロットを)慣れさせ、その後、高高度から降下しながら爆弾を投下する訓練を行う予定だった。 「射爆場の後、我々は西に向かい、そこで低空飛行を行いたい、と私は考えていた」(4機編隊のリーダー)
この4機編隊は9時に離陸、着陸予定は10時35分だった。天ヶ森射爆場では9時15分から最大45分(つまり10時まで)模擬弾を使った爆撃訓練を行う。次に陸奥湾に面した小湊上空に戻り、十和田湖から目屋ダム経由で日本海に出て、小島上空をイニシャル・ポイントとする攻撃飛行に移る。リーダーが考えていた低空飛行は、日本海に出るまでで、あとは高度を上げて高空から上ノ国町大崎の爆撃を行う。小湊から大崎までの飛行予定時間は約18分となっている。
釜石の事故報告書でも、F16の低空飛行と爆撃訓練が一体となっていることが書かれていた。今回の報告書でも同様である。岩国の海兵隊FA18の事故報告書からは、低空飛行ルートの途中で発電所や道路などを模擬爆撃していることが明らかになっている。
これらの事故報告書の分析から、米軍機が低空飛行を行えば、その先または途中で爆撃訓練が行われている、と考えなければならないだろう。低空飛行ルートの近辺の住民にかかる危険度はさらに増している。
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