米海軍佐世保基地の動き=2008年= はじめに


 原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備は第7艦隊の補給機能を受け持つ佐世保基地にもさまざまな影響を与えた。
 原子力空母を受け入れるための横須賀港での浚渫工事は配備されている駆逐艦や巡洋艦などを一時的に佐世保基地に集中させることに なった。結果、佐世保ではこれまでにないほどに駆逐艦や巡洋艦が燃料補給などのため短日数の寄港を繰り返したが、その艦隊の燃料補給 支援のため原子力空母が横須賀に配備された直後から韓国や東シナ海で頻繁な訓練を繰り返したことに合わせ燃料補給艦が頻繁に寄港した。

 一方、佐世保基地に配備されている揚陸艦隊はほぼ例年と同じように沖縄に駐留する海兵隊を乗せて、アジア各地での訓練に出かけた。
 また、原子力空母の横須賀配備をアピールするように1年間で2隻の原子力空母が寄港したが、7月に寄港した空母ロナルド・レーガン は「空母プレゼンス」をアピールするかのようにアジア各地の港に相次いで寄港していた。

 8月には佐世保や沖縄に寄港していたロサンゼルス級の原子力潜水艦ヒューストンから放射能を含んだ冷却水が漏れ出ていたことが明ら かになった。
 原因はバルブの不具合ということだが、そのことについての説明は「軍事機密」という壁にさえぎられて明らかにならず、「安全が証明 された」としてその後も原子力潜水艦の寄港は続いている。

 艦船の入港総数は07年より増加したが、その主要な原因は、戦闘艦では駆逐艦、補助・補給艦では燃料補給艦と弾薬補給艦の増加によ るものだが、06年まで寄港回数が多かった測量(海洋調査)艦と車両・貨物輸送(事前集積)艦の寄港回数が減少したため、総数として は06年より減少した。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


佐世保母港艦船の動き
駆逐艦の集中入港
給油艦の動き
補給施設としての佐世保基地
08年入港艦船一覧


2009-1-29