佐世保母港艦船の動き


概要
佐世保基地には12月末現在、揚陸艦4隻、掃海艦4隻が配備されて、沖縄県うるま市のホワイトビーチ基地の第1揚陸即応軍(ARG−1)指揮下で第11揚陸戦隊(COMPHIBRON−11) を編成している。このうち揚陸戦隊の期間を務めているボノム・リシャールは今年10月には同型のワスプと交代するという。
4隻配備されている掃海艦は、米海軍の艦隊建造計画(Shipbuilding Plans)によると順次沿岸戦闘艦(LCS)に置き換える計画だが、調達の遅れから現役での配備が続いている。 (LCSは2016会計年度末現在、7隻が就役。このほか19隻が就役準備または建造中)
掃海艦と代替予定のLCSのうち1隻が現在、シンガポール・チャンギを拠点に展開しているが、佐世保に配備する計画はないようだ。

揚陸艦隊
例年、揚陸艦隊は新年休暇が明けた後、1月下旬からさまざまなトレーニングを行った後、アジア周辺での訓練に出かけるが、16年もボノム・リシャール、アシュランド、ジャーマンタ ウンの3隻が参加した。
3隻の揚陸艦隊のうちアシュランドはタイ・サタヒップに寄港した後、米・対合同訓練コブラ・ゴールドに参加した。
3月3日から始まった米韓合同訓練キー・リゾルブでは3月9日から18日にかけて韓国東海岸で行われた野外実動訓練「双龍(SSANG YONG)2016」に主力部隊として参加した。
 9月には米海軍、海兵隊、空軍による連携訓練バリアント・シールド(VALIANT SHIELD)2016に参加した。艦隊はその後、フィリピン軍との共同訓練PHIBLEX33を繰り広げ、10月下旬ま でASEANの数か国に寄港した。
 1995年以来、毎年ASEAN諸国と行っている二国間訓練CARAT(共同洋上即応訓練)は6月1日のマレーシア海軍を皮切りに、シリーズ中、合計9か国と訓練を繰り広げ、ドック型揚 陸艦アシュランドが参加した。この後一連の訓練は11月までの期間中、バングラディッシュ、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、東ティモール との間で随時行われた。
CARATにはアシュランドのほか、佐世保基地に配属されている第5爆発物処理移動分遣隊(EDOMU−5)がマレーシア(6月1日〜4日)、フィリピン(6月6日〜10日)、シンガポール (7月23〜28日)、インドネシア(8月3日〜8日)、タイ(6月22日)でのフェーズにアシュランドと、あるいは単独で参加している。EODMU−5は、以前は佐世保に配備されて いる掃海艦と行動を共にすることが多かったが、掃海艦の運用の変更のためだろうか、別行動が多くなっている。
一方、掃海艦は、確認できた範囲ではパトリオットが小樽(2月4日〜7日)、横須賀(2月12日〜3月4日)、ホワイトビーチ(3月11日)、奄美(3月19日〜20日)、大阪南港(7月14日〜 16日)に寄港し、チーフはホワイトビーチ(3月11日、21日)、横須賀(4月7日〜18日)に寄港していた。
ちなみに、米海軍、海兵隊、空軍による統合訓練バリアント・シールドは9月12日から22日にかけて沖縄近海を含むフィリピン海で行われ、佐世保に配備されている艦船ではボノム・リシ ャール、グリーンベイ、ジャーマンタウンのほか、横須賀に配備されている空母ロナルド・レーガン、巡洋艦チャンセラーズビル、駆逐艦バリー、同マッキャンベル、同カーティス・ ウイルバーが参加した。
佐世保を母港としている艦船で、参加した訓練や海外の寄港地などが判明したものは次の表のとおり。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)



米海軍佐世保基地の動き はじめに
増加する情報収集艦の寄港
最多となった洋上補給艦
戦闘艦の動き
2016年入港艦船一覧


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