低空飛行は前年比2倍以上の増だが、05年が極端に少なかったためで、2006年の実数は2003年の水準程度だ。
105機の内訳はEA6Bが55機で過半数を占め、スーパーホーネットが29機、ホーネットが21機となっている。ホーネット・スーパーホーネットがそれぞれ24機以上厚木に配備されているのに対して、EA6Bの配備定数は5機だ。この差を覆すEA6Bの低空飛行の多さは、やはりシミュレーターの有無に関係すると思われる。
米海軍の主力戦闘機のホーネット、スーパーホーネットは数が多いので、シミュレーターを開発してもペイするが、機数の少ないEA6Bはシミュレーター無しに実際に低空飛行をさせているのだろう。
F18系はシミュレーターで繰り返した訓練の仕上げに実際に低空飛行ルートを飛んでいるとみられる。飛行回数はEA6Bと比べて少ないが、F18系の中で比べると、低空飛行訓練ではホーネットとスーパーホーネットの間に極端な差はない。そこが、渋川上空の対地攻撃訓練で両者の間にはっきりとした差が出ていることとの違いだ。
ルート別では四国中央部の山地をたどるオレンジルートを飛行する機数が、6割を占める。岩国の海兵隊機がよく飛ぶ中国山地のブラウンルートとともに、厚木・岩国の間にあり「使い勝手」がいいようだ。
(RIMPEACE編集部)
'2007-1-18