上ノ国町議会決議と官房長官談話


米軍三沢基地の低空飛行訓練中止要求決議

米軍の青森県三沢基地における戦闘機の低空飛行訓練による爆音と事故発生の恐れに対し、
本町大崎地区住民の不安感が増大している。
加えて、本年9月15日の北海道新聞により、青森県三沢市議の指摘として「米軍の
青森県三沢基地におけるF16戦闘機の模擬爆撃訓練計画に、飛行訓練最終目標として、
本町大崎地区の洲根子岬灯台、大崎漁港防波堤、大崎小学校、旧米軍宿舎の4カ所が含まれ
ていた可能性が強い」との報道がなされ、更に9月14日から昨日16日まで3日間連続で
戦闘機の飛来が確認されたことなどから、地区住民の不安感は極限に達しているところである。
米軍三沢基地の飛行訓練に当たっては、「日米合同委員会での合意事項」及び渉外知事会の
「基地対策に関する要望事項」を遵守し、北海道檜山郡上ノ国町行政区域内における低空飛行を
即刻中止するよう、強く要求する。
                                                         平成11年9月17日
北海道檜山郡上ノ国町議会

上ノ国町議会議員15人全員と町長が、議決した17日の午後、三沢入りして、三沢防衛施設
事務所を通じて三沢基地司令官にこの決議文を提出した。「議会の強い意志を示すため、午後の
本会議を休会にして、異例の全議員による要請行動となった」(99.9.18 北海道新聞)
9月14日から17日まで三沢基地でシーリー(作戦態勢運用演習)が行われている。いわば、
有事対応訓練とでもいうべきものだが、三沢基地報道部の発表では一日約50回F16を飛ばす
とのこと。上ノ国町に現れた戦闘機も、この有事対応訓練に組み込まれたF16と見られる。

野中官房長官は、17日の記者会見で「訓練中に学校の方向に飛行機が飛んでいたことは事実の
ようだが、それを攻撃の焦点にするという訓練はやっていないという報告に接している」と述べ、
小学校を標的とした訓練は実施していないことを強調した(99.9.18 朝日新聞)という。
爆撃訓練とは「標的に向かって」飛ぶものだ。「学校の方向に向かって飛んだ」とは語るに落ちた、
ということだ。4機編隊のF16にそれぞれ模擬爆撃目標を与え、その中に大崎小学校が入っていた、
という米軍の公文書から読み取れる事実を(意図的に)無視した官房長官談話だとしか言いようがない。
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