米海軍佐世保基地の動き=2010年= はじめに
原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備されて以降、日本周辺で空母艦隊の動きが目立っている。老朽化していた「前任」の
キティホークと違い、原子力空母ジョージ・ワシントンが頻繁に東アジアやインド洋などでの各種訓練と作戦行動に出かけていることか
ら、各種補給艦船の動きが活発になっている。
入港隻数だけで比較すると、2008年が最も多くなっているが、食料や被服・備品などを補給する戦闘補給艦(T-AFS)と砲弾やミサイル
など各種兵器を補給する弾薬補給艦(T-AE)の機能を併せ持った新型の貨物弾薬補給艦(T-AKE)が相次いでグアムに配備されるなど更新
が進んだことを考えると、実質的には大幅な入港隻数の増加と捉えるべきだろう。
駆逐艦などの洋上戦闘艦では、2010年は空母が佐世保港に寄港しなかったこともあり、寄港した駆逐艦はすべて横須賀基地に配備され
ている艦だった。また、駆逐艦の寄港回数も減少し、停泊日数も2009年と比較すると短日数であった。
原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備されたことは第7艦隊の補給機能を受け持つ佐世保基地に寄港する艦船の動向に影響を
与えているが、このことは今後も引き続くだろう。
一方、佐世保基地に配備されている揚陸艦隊はほぼ例年と同じように沖縄に駐留する海兵隊を乗せて、アジア各地での訓練に出かけた
が、韓国海軍の哨戒艦沈没事件や延坪島砲撃事件に即応するような出港も目立った。
2010年で最も目立ったのは潜水艦を追尾することを任務としている音響測定艦の入港増だが、これまで横浜港を運用の拠点としていた
ものが佐世保に移転したことも考えられる。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)
佐世保母港艦船の動き
急増する音響測定艦の寄港
洋上補給艦の寄港の特徴
洋上戦闘艦寄港の推移
2010年入港艦船一覧
2011-2-3