佐世保基地母港艦船の動き

艦船の名称 艦番号
エセックス(ESSEX) 2
デンバー(DENVER) 9
ハーパーズ・フェリー(HARPERS FERRY) 49
(注:3月まで)  
トートュガ(TORTUGA) 46
ジャーマンタウン(GERMANTOWN) 42
アベンジャー(AVENGER) 1
ディフェンダー(DEFENDER) 2
ガーディアン(GUARDIAN) 5
パトリオット(PATRIOT) 7

佐世保基地には12月末現在、揚陸艦4隻、掃海艦4隻が配備されている。3月にはドック型揚陸艦ハーパーズ・フェリーが同型のジャーマンタウンに交代した。配備艦船はこれまで立神岸壁に接岸していたが、09年12月に隣接する平瀬係船池に大型の岸壁が完成し運用が開始され、主に強襲揚陸艦エセックスやその他の揚陸艦など大型の艦船が停泊することとなった。
この結果、余裕ができた立神岸壁には音響測定艦や測量(海洋調査)艦など補助艦船の停泊が増加した。

例年、揚陸艦隊は新年休暇が明けた後、1月下旬からさまざまなトレーニングを行った後、アジア周辺での訓練に出かける。
 2011年も強襲揚陸艦エセックス、ドック型輸送揚陸艦デンバー、ドック型揚陸艦ジャーマンタウンの艦隊は2月以降、東アジアでの「スプリング・パトロール」の中で米・タイ合同訓練「コブラ・オールド(COBLA GOLD)」、カンボジアでのMAREXなどの二国間軍事訓練を行った。特に「コブラ・ゴールド」訓練ではタイだけでなく日本、韓国、インドネシア、マレーシア、シンガポールなど「同盟諸国」(Partner Nations)も要員を派遣するなど、米国の東アジア戦略を明示する訓練となった。

 一方、佐世保に残っていたドック型揚陸艦トートュガは1月に大分県佐伯港、高知県宿毛湾港に連続して寄港した。また、東日本救援活動のあと、5月には昨年と同様に旧ASEAN諸国とCARAT訓練を繰り広げた。
7月にはアジア・太平洋地域で最大の軍事訓練となった米・オーストラリア合同訓練「タリスマン・セーバー」に横須賀配備艦船とともに参加し、強襲揚陸訓練などを行った。
 10月にはエセックスとデンバー、ジャーマンタウンの3隻が「フォール・パトロール」の一環としてフィリピン海軍などとの合同訓練「フィブリックス(PHBLEX)」を行った。
 2011年は掃海艦も日本やアジアの各地に帰港を繰り返し、インド洋に面したバングラディッシュにまで足を伸ばしていた。

佐世保を母港としている艦船で、参加した訓練や寄港地などが判明したものは次の表のとおり。

母港艦船の動き
訓練名称など 参加艦船名 地域・国・港湾 期間
  トートュガ 大分県・佐伯港 1月24日〜25日
    高知県宿毛湾港 1月27日〜28日
コブラ・ゴールド エセックス、デンバー、ジャーマンタウン タイ 2月7日〜18日
メイレックス(MAREX)11 エセックス、デンバー、ジャーマンタウン カンボジア 2月26日〜3月2日
東日本災害救援 エセックス、デンバー、ジャーマンタウン 三陸沖 3月20日〜4月6日
  ガーディアン インドネシア・バリ 5月3日〜7日
    インドネシア・スマトラ 5月10日〜12日
キャラット(CARAT) トートュガ タイ 5月11日〜20日
    インドネシア 5月25日〜30日
  アベンジャー マレーシア 5月16日〜20日
  アベンジャー、ガーディアン 中国・香港 7月3日〜5日
  エセックス、ジャーマンタウン オーストラリア・タウンズビル 7月7日〜10日
タリスマン・セーバー エセックス、ジャーマンタウン オーストラリア 7月11日〜29日
  エセックス、ジャーマンタウン オーストラリア・ブリスベーン 8月3日〜5日
キャラット(CARAT) ディフェンダー バングラディッシュ 9月17日〜21日
CERTEX エセックス グアム 10月7日〜17日
フィブレックス(PHIBLEX) エセックス、デンバー、ジャーマンタウン フィリピン 10月20日〜30日
  エセックス、ジャーマンタウン フィリピン・スービック 10月22日〜23日
  ガーディアン、パトリオット 鹿児島 10月28日〜31日
ANNUALEX トートュガ 日本・東シナ海 10月29日〜11月4日
  エセックス インドネシア・バリ 11月20日〜21日
    フィリピン・マニラ 11月30日〜

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


はじめに
定着した音響測定艦と測量艦
空母艦隊や揚陸艦隊とリンクした補給艦
戦闘・作戦艦の動き
2011年入港艦船一覧


2012-1-26