佐世保母港艦船の動き


佐世保基地には12月末現在、揚陸艦4隻、掃海艦4隻が配備されている。4月には強襲揚陸艦エセックスが同型のボノム・リシャールに交代した。
09年12月に隣接する平瀬係船池に大型の岸壁が完成し運用が開始されて以降、主に強襲揚陸艦エセックスやその他の揚陸艦など大型の艦船が停泊しているが、余裕ができた立神岸壁には音響測定艦や測量(海洋調査)艦など補助艦船の停泊が増加した。

例年、揚陸艦隊は新年休暇が明けた後、1月下旬からさまざまなトレーニングを行った後、アジア周辺での訓練に出かけるが、2012年はさみだれ状に出港していた。
 2012年は東アジア地域で最大の多国間訓練となった「コブラ・ゴールド(COBLA GOLD)」訓練にドック型揚陸艦ジャーマンタウンと同型のトートュガが参加しただけで、メンテナンスに不安があった強襲揚陸艦エセックスは参加を見合わせたようだ。
「コブラ・ゴールド」訓練は米国とタイ王国の2国間訓練だったが、このところ日本を含む多くの周辺国が要員を派遣し「見学」などで参加している。

 3月9日から始まった米韓合同訓練「フォール・イーグル」にはドック型揚陸艦2隻に加え強襲揚陸艦エセックスとドック型輸送揚陸艦デンバー、掃海艦パトリオットも参加した。また、エセックスの後継艦のボノム・リシャールも参加した。しかしエセックスは途中、不具合のため一時離脱し、航空機を満載したまま佐世保に戻り、修理後に再び出かけた。

 交代配備されたボノム・リシャールの本格的な展開は秋になってからだったようで「スプリング・パトロール」の一環としてデンバー、トートュガとともにフィリピン軍との合同訓練「フィブリックス(PHBLEX)」を行い、その後フィリピン・スービック、マレーシア・コタキナバル、中国・香港に寄港した。5月〜6月にはジャーマンタウンが旧ASEAN諸国とCARAT訓練を繰り広げた。

 2012年は掃海艦パトリオットが「フォール・イーグル」に参加する前に青森県八戸港、北海道苫小牧港、鳥取県境港港に寄港した。
佐世保を母港としている艦船で、参加した訓練や寄港地などが判明したものは次の表のとおり。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)



はじめに
拠点化した音響測定艦と測量艦
更新が進んだ補給艦
戦闘・作戦艦の動き
2012年入港艦船一覧


2013-1-31