佐世保母港艦船の動き


佐世保基地には12月末現在、揚陸艦4隻、掃海艦4隻が配備されている。9月にはドック揚陸艦トートュガが同型のアシュランドに交代した。
2009年12月に隣接する平瀬係船池に大型の岸壁が完成し運用が開始されて以降、現在は強襲揚陸艦ボノム・リシャールとドック型揚陸艦アシュランドが停泊しているが、余裕ができた立神 岸壁には貨物弾薬補給艦などの補給艦および音響測定艦や測量(海洋調査)艦など補助艦船の停泊が増加した。

例年、揚陸艦隊は新年休暇が明けた後、1月下旬からさまざまなトレーニングを行った後、アジア周辺での訓練に出かけるが、昨年はドック型輸送揚陸艦デンバーを除き出港していた。
 2013年で東アジア地域最大の多国間訓練となった「コブラ・ゴールド(COBLA GOLD)」訓練にボノム・リシャール、ジャーマンタウン、トートュガの3隻が参加した。「コブラ・ゴールド」 訓練は米国とタイ王国の2国間訓練だったが、昨年は日本、韓国、シンガポール、インドネシア、マレーシアが要員を派遣し「見学」などで参加している。

 一方、3月14日から21日まで行われた米韓合同指揮所訓練「キー・リゾルブ(KEY RESOLB)」及びその後韓国東海岸で行われた野外実動訓練「フォール・イーグル(FOAL EAGLE)」訓練には ボノム・リシャールなどの揚陸艦隊は参加せず、沖縄・ホワイトビーチに寄港していた。

 佐世保に配備されている掃海艦ガーディアンは1月13〜14日にフィリピン・スービックに寄港していたが、その後スールー(SULU)海でサンゴ礁に乗り上げる事故を起こし、結局廃艦される こととなり現地で解体撤去され、切断された船体は貨物船で佐世保に運び込まれた。
ガーディアンの後継にはペルシャ湾に派遣されていた同型のウォリア―が民間のFO-FO船で輸送され、交代に配備された。

 4月5日から17日にはトートュガがフィリピンとの合同訓練「バリカタン(BARIKATAN)」に参加した後、5月にはインドネシア、タイ、マレーシアで「CARAT」訓練をそれぞれ2国間で行い、 7月に戻ってきた。
6月にはボノム・リシャール、デンバー、ジャーマンタウンがオーストラリアとの共同訓練タリスマン・セーバー(TALISMAN SABER)」(7月15日〜8月5日)に参加するため相次いで出港し、 不具合の修理で忙しいデンバーも遅れて出港した。

従来、佐世保に配備されている揚陸艦隊は9月から「秋のパトロール」の一環として東アジアでの訓練に参加しているが、2013年は9月にトートュガが同型のアシュランドと交代し、また ボノムの艦長が汚職の疑いで解任された影響や米海軍の予算削減の影響もあり、ジャーマンタウンを除く揚陸艦は動きがなかった。

 11月にはフィリピンを襲った台風「Haiyan/Yolanda」の救援作戦「DAMAYAN」にドジャーマンタウンとアシュランドが参加した。この救援作戦に佐世保に寄港した艦船ではほかに貨物弾薬補給艦 リチャード・E・バードと同型のチャールズ・ドリュー、燃料補給艦ユーコンが加わったようだ。
佐世保を母港としている艦船で、参加した訓練や寄港地などが判明したものは次の表のとおり。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)



米海軍佐世保基地の動き はじめに
拠点化した音響測定艦と測量艦
増加した洋上補給艦
戦闘・作戦艦の動き
2013年入港艦船一覧


2014-1-31|HOME|