佐世保母港艦船の動き
佐世保基地には12月末現在、揚陸艦3隻、掃海艦4隻が配備されている。7月にはドック型輸送揚陸艦デンバー退役のため佐世保を離れた。
また、7月には掃海艦2隻が交代し、離任したアベンジャーとディフェンダーは貨物船で本国に戻り、退役した。交代配備されたパイオニアとチーフはトレーニングのため頻繁に出・入港した。
例年、揚陸艦隊は新年休暇が明けた後、1月下旬からさまざまなトレーニングを行った後、アジア周辺での訓練に出かけるが、14年は例年行っている「スプリング・パトロール」といった明確な
任務航海は確認できなかった。
ドック型輸送揚陸艦デンバーはタイ王国海軍などと米軍が主催して2月11日から21日までシャム湾一帯で行われた「コブラ・ゴールド(COBLA GOLD)」訓練に参加した。
この訓練は参加国数では地域最大となり、昨年に続き日本、韓国、シンガポール、インドネシア、マレーシアが要員を派遣し参加している。
また、米韓合同指揮所訓練「キー・リゾルブ(KEY RESOLB)」及びその後3月27日から4月5日まで行われた韓国東海岸で行われた野外実動訓練「双龍(SSANG YONG)14」(昨年までの名称
は「フォール・イーグル(FOAL EAGLE)」)訓練にはボノム・リシャールとデンバー、ドック型揚陸艦アシュランドに加え、強襲揚陸艦ボクサーESG(遠征打撃群)も加わり、2つのESGと米軍から
20隻の艦船と14000人の兵員が参加する最大規模の訓練となった。
アシュランドは5月に出港した後シンガポール・チャンギに寄港し、その後6月26日から7月1日までフィリピンでの「CARAT」訓練に参加したのち、佐世保に戻ってきた。
4月5日から17日にはトートュガがフィリピン軍との合同訓練「バリカタン(BARIKATAN)」に参加した後、5月にはインドネシア、タイ、マレーシアで「CARAT」訓練をそれぞれ2国間で行い、
7月に戻ってきた。
7月23日には佐世保基地に配備されていたドック型輸送揚陸艦デンバーが退役準備のため佐世保を離れた。しかし、交代配備される予定の新型揚陸艦の配備が遅れることとなったため、「つな
ぎ」として退役間近の強襲揚陸艦ペリリューが急きょ派遣された。
ところが、定期のメンテナンスのため飛行甲板シートの貼り替え作業を受けていたボノム・リシャールに検査航海中に不具合が見つかり、再修理のため長期のドック入りが必要となり、その代役も
ペリリューが引き受けることとなった。
ペリリューはハワイ、グアムを経由して9月27日にフィリピン・スービックに入港し、ジャーマンタウンとともに「PHIBLEX」に参加した。しかし、ペリリューに搭乗していた米海兵隊員による
殺人事件(10月12日発生)捜査のため、ペリリューとジャーマンタウンは一時、スービックに留め置かれた。
ペリリューはその後、11月下旬に佐世保に一時寄港したのち、米本国に戻って退役作業に入った。
9月15日には朝鮮戦争の転換点となった仁川(インチョン)上陸作戦を記念するセレモニーに掃海艦ウォーリアーが参加した。また、その後に朝鮮半島南部の海域で行われた掃海訓練「CLEAR
HORIZON」にはウォーリアーとチーフが参加した。
日本近海では日米合同訓練キーン・スォードが行われ、佐世保配備艦で唯一行動可能なジャーマンタウンが参加した。
佐世保を母港としている艦船で、参加した訓練や寄港地などが判明したものは次の表のとおり。
(RIMPEACE編集委員・佐世保)
米海軍佐世保基地の動き はじめに
動きが変化した情報収集艦
増加した洋上補給艦
戦闘・作戦艦の動き
2014年入港艦船一覧
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