増加した洋上補給艦


洋上補給艦の入港数がこの5年では最多となった。また、入港した艦船の用途別(作戦艦、洋上補給艦、貨物輸送艦、燃料輸送船、情報収集艦、各種補助艦船)割合でも44%を占め、最多となっ た。

なかでも弾薬補給艦(艦種記号AE)と戦闘給糧艦(AFS)の機能を統合した貨物弾薬補給艦(満載排水量4万トン超 艦種記号=AKE)が2006年の配備開始以来最も多くなった。理由としては 艦船や航空機の燃料を補給する燃料補給艦(満載排水量4万2千トン、艦種記号=AO)、空母戦闘群に随伴して行動する高速戦闘支援艦(満載排水量4万9千トン、艦種記号=AOE)の任務も一部受け 持ったこと、佐世保基地の弾薬設備の老朽化で最新型のミサイルや爆弾などが貯蔵できないため、必要なだけの少量補給が増えたためと推測される。

一方、燃料補給艦の寄港回数は13年と比較すると半分以下の10回になりこの10年で最も少なくなった。しかし、燃料を搬入する大型タンカー(戦略給油船 AOT)は8回と増加しており、燃料 補給活動は依然として高水準にあると思われる。燃料補給は一部を貨物弾薬補給艦が受け持っていることが関係していると思われる。

貨物弾薬補給艦の西太平洋での拠点はグアム・アプラ港だが、作戦海域である東シナ海などとの地理的関係や燃料備蓄施設の充実の理由から日本では佐世保に集中的に寄港しており、佐世保以外で は横須賀に7回、沖縄・天願に3回だけ寄港した。

なお、米海軍は貨物弾薬補給艦を11隻運用(14年末現在)しているが、そのうち佐世保には5隻が寄港した。また、佐世保に寄港する貨物弾薬補給艦の動きでは、韓国・鎮海との行き来が目立 っている。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)



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