佐世保母港艦船の動き


佐世保基地には12月末現在、揚陸艦4隻、掃海艦4隻が配備されている。このうちドック型輸送揚陸艦(LPD)グリーンベイは3月から配備された。

4隻配備されている掃海艦は、米海軍の艦隊建造計画(Shipbuilding Plans)によると順次沿岸戦闘艦(LCS)に置き換える計画だが、調達の遅れから現役での配備が続いている。(LCSは2015年12月末現在、4隻が就役)
代替予定のLCSのうち1隻が現在、シンガポール・チャンギを拠点に展開しているが、3月に初めて佐世保に寄港した。

例年、揚陸艦隊は新年休暇が明けた後、1月下旬からさまざまなトレーニングを行った後、アジア周辺での訓練に出かけるが、15年は沖縄からグアムにかけた海域で行われたCERTEX(能力証明訓練)にボノム・リシャール、グリーンベイ、アシュランドが参加した

3隻の揚陸艦隊はその後、3月24日から27日まで韓国東海岸で行われた野外実動訓練「双龍(SSANG YONG)2015」に主力部隊として参加した。

 4月20日から30日にかけて行われたフィリピン軍との合同訓練「バリカタン(BALIKATAN)」にはグリーンベイとアシュランドが参加し、いったん佐世保に戻った後、ボノム・リシャールを含めた3隻はオーストラリアで行われた「フリーマントル(FREEMANTLE)」と「タリスマンセーバー(TARISMAN SABRE)」訓練にそろって参加した。
揚陸艦隊がそろって訓練に参加したのはこれだけだったようで、その後各揚陸艦は東南アジア各地の港に寄港を繰り返した。

特徴的だったのは、ふつうは掃海艦とともに移動して訓練に参加している爆発物処理隊第5移動分遣隊(EODMU5)が「CARAT」や韓国で行われた「CLEAR HORIZON」などの訓練に独自で参加していたこと。経費の問題あるいは掃海艦の運用上の都合があるのだろう。

ちなみに、EODMU5は2014年9月15日以降に朝鮮半島南部の海域で行われた掃海訓練「CLEAR HORIZON」には掃海艦ウォーリアーと同チーフとともに参加したようだ。

2014年には配備されていた掃海艦が交代した関係で出入港が増加していたが、15年には元のペースに戻っていた。今後、掃海艦が出港する機会が減少するのではないだろうか。

佐世保を母港としている艦船で、参加した訓練や寄港地などが判明したものは次の表のとおり。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)



米海軍佐世保基地の動き はじめに
増加する情報収集艦の寄港
増加した洋上補給艦
戦闘・作戦艦の動き
2015年入港艦船一覧


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