母港艦船の動き

佐世保基地配備艦船名

艦船の種類

艦船の名称

艦番号

強襲揚陸艦(LHD

ボノム・リシャール(BONHOMME RICHARD

(1月まで)

ワスプ(WASP)(1月から)

 

ドック型輸送揚陸艦(LPD

グリーンベイ(GREENBAY

20

ドック型揚陸艦(LSD

ジャーマンタウン(GERMANTOWN

アシュランド(ASHLAND

42

48

掃海艦(MCM

パトリオット(PATRIOT

パイオニア(PIONEER

ウォーリアー(WARRIOR

チーフ(CHIEF

10

14

 

概要

佐世保基地には2018年12月末現在、揚陸艦4隻、掃海艦4隻が配備され、沖縄県うるま市のホワイトビーチ基地に司令部を置く第1揚陸即応軍(ARG-1)指揮下で第11揚陸戦隊(COMPHIBRON-11)を編成している。このうち、2012年4月から揚陸戦隊の旗艦を務めているボノム・リシャールは2018年1月には同型のワスプと交代した。

現在就役している11隻の掃海艦について、米海軍の艦隊建造計画(Shipbuilding Plans)によると順次沿海域戦闘艦(LCS)に置き換える計画だが、佐世保基地に4隻配備されている掃海艦(MCMRON-7)は、調達の遅れから現役での配備が続いている。

掃海艦が配備されているのは佐世保以外では米本国カリフォルニア州・サンディエゴ海軍基地(3隻)と中東バーレーン・マナマ基地(4隻)だけで、掃海艦隊司令部があったテキサス州イングリサイド海軍基地は数年前に閉鎖されている。

LCSは2018会計年度末現在、15隻が就役または就役準備で、そのほか15隻ほどが建造中あるいは計画中だが、掃海艦と交代して佐世保に配備する計画はないようだ。

 

揚陸艦隊

1月早々に米本土から交代のため佐世保に到着した強襲揚陸艦ワスプは、AV8Bハリアー戦闘機と交代したF-35BライトニングⅡの配備・着艦訓練を3月5日から沖縄近海で開始した。

ワスプはその後、沖縄の海兵隊を乗せて東・東南アジアでのパトロールに出かけた。この作戦航海にはグリーンベイ、アシュランドも加わった。

 一方、もう1隻の強襲揚陸艦ボノム・リシャールは佐世保を出港後、2月13日から23日まで東南アジア・タイで行われた共同訓練コブラ・ゴールドに参加した。この訓練には韓国など周辺の7か国が参加した。

ボノム・リシャールはこの後いったん佐世保に戻り、418日に米本国に向けて出港し、417日にはハワイ州パールハーバーに立ち寄った。

新しく編成されたワスプ遠征打撃群(ESG)は4月3日から8日にかけて行われた米韓合同訓練フォール・イーグルに参加したが、今回は朝鮮半島をめぐる米朝会談の関係で規模を縮小して行われた。しかし米海軍の広報によればF35Bの配備などにより「打撃力を向上した(UpGunned)」遠征打撃群が参加した、と主張した。

毎年、東南アジア諸国との間で毎年行われているCARATCooperation Afloat Readiness and Training 洋上即応共同訓練には、2017年に続いて2018年も佐世保の揚陸艦隊と掃海艦は参加しなかった。

718日に青森県大湊港周辺海域で行われた日米共同掃海訓練(Mine Countermeasures Exercise)には米海軍からは佐世保に配備されている掃海艦チーフと爆発物処理分遣隊(EODMU-5)が参加し、インド海軍も加わった。海上自衛隊からは掃海母艦「うらが」のほか、掃海艦「あわじ」と「ひらど」、掃海艇15隻、掃海ヘリ、哨戒機P3C4機とP-1哨戒機が参加する大規模なものとなった。

8月に再び出港したワスプ、グリーンベイ、アシュランドの揚陸艦隊は「CERTEX(能力証明訓練)に参加した後、、九州沖・沖縄近海で海上自衛隊の揚陸艦「おおすみ」(*艦種表記ではLST のため、揚陸艦とした)と航行訓練(PASSEX)を行った。その後、海兵隊とともに東南アジア地域に展開した。

この時期にマレーシア、バングラディッシュ、ブルネイ、カンボディアなどで行われたCARATに参加したのは米本土から派遣された強襲揚陸艦エセックスだった。

ワスプなどが出かけた東南アジアでの展開途中、北マリアナ諸島を襲った台風「YUTU」の災害援助支援ではアシュランドとグリーンベイが水や燃料などの救援物資を輸送したが、この時に使用した揚陸手段は旧型の揚陸艇(LCU1600型)で、ホバークラフト型揚陸艇(LCAC)は佐世保基地に残したままだった。

LCAC2016年以降、揚陸艦とは別行動が多くなっており、佐世保に残されたLCACは能力証明のための夜間航行訓練を佐世保湾内で行うことを余儀なくされているようだ。

 

佐世保を母港としている艦船で、参加した訓練や海外の寄港地などが判明したものは次の表のとおり。

訓練名称など

参加艦船名

地域・国

期間

Cobra Gold

ワスプ

タイ

213日~223

F35B着艦訓練

ワスプ

東シナ海

35日~15

CERTEX

ワスプ

グリーンベイ

アシュランド

沖縄近海

316日~17

Foal Eagle

ワスプ

グリーンベイ

アシュランド

韓国

43日~8

ホワイトビーチ・

フェスティバル

ボノム・リシャール

沖縄・うるま市

414日~15

 

チーフ

新潟

函館

77日~11

714日~16

機雷掃海訓練

 

チーフ

EODMU-5

大湊近海

718

CERTEX

ワスプ

グリーンベイ

アシュランド

沖縄近海

826日~27

PASSEX

ワスプ

グリーンベイ

アシュランド

沖縄近海

826

 

アシュランド

フィリピン・

スービック

929日~102

1010日~16

 

ワスプ

シンガポール

102日~4

DSCA(災害支援)

アシュランド

テニアン(サイパン)

グアム

113日~5

116日~9

 

グリーンベイ

パプア・ニューギニア

豪州・ケアンズ

豪州・タウンズビル

1113日~17

1121日~24

1127日~28

 


米海軍佐世保基地の動き はじめに
減少傾向となった情報収集艦の寄港
急減した洋上補給艦
戦闘艦の動き
2018年入港艦船一覧


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