5.高速輸送艦・揚陸補助艦

 米海兵隊の新しい戦力計画(いわゆる「2030計画」)に合わせた艦船の建造が進められているが、佐世保ではまだ配備艦船の交代などの大きな変化には至っていない。海兵隊が主要な任務としていた強襲上陸から、移動能力の高い「海兵沿海域連隊(MLR)」(待ち伏せ部隊)に転換しようとするものだが、新しい戦力デザインにあわせた艦船の実験的段階のようだ。その一つが揚陸艦のダウンサイジングと高速輸送艦や揚陸補助艦の取得と思われる。

 米海軍の将来艦隊計画(FYSBP)で見ると、ESD(Expeditionary Transfer Dock 約78,000トン)や発展型のESB(Expeditionary Sea Base 約90,000トン)といった新しい種類の揚陸補助艦を運用し、これまで揚陸艦を使った貨物や車両の揚陸から、洋上あるいは受け入れ支援国の港湾を使った輸送・揚陸手段を追加している。ESDやESBは洋上や岸壁などで揚陸艦に直接、LCACや戦闘車両を積み替えるシステムを持っている。

― 新型揚陸補助艦 ―
 25年には北マリアナ連邦(サイパン)に拠点を置いているミゲル・キースが2回、ジョン・キャンレイが2回寄港した。最初に就役したモンフォード・ポイント(ESD)が横浜や横須賀、佐世保に寄港していたが、21年以降は改良型の揚陸補助艦(ESB)の配備が進められている。

もう一つが、MEU(海兵隊遠征ユニット)の連隊規模の1個上陸戦闘部隊(MAGTF 海兵空地任務部隊)を車両や装備とともに高速長距離輸送できる輸送艦(EPF Expeditionary Fast Transport およびHST High Speed Transport)の配備で、EPFは現在までに12隻が配備され、将来は14隻体制での運用が進められているが佐世保への寄港は、HSTは民間の高速フェリーを取得・改造して運用している。

このうち、沖縄・那覇軍港に事実上配備されている高速輸送艦(HST)は定期的に日本国内の米軍基地や韓国に出かけている。また、ESBは2隻がグアム・アプラ港に配備され、25年は2隻が延べ5回、佐世保に寄港した。

(入港艦船の種類と艦船名は別表「2025年 寄港艦船の一覧」のとおり)

(RIMPEACE編集委員・佐世保 篠崎正人)


米海軍佐世保基地の動き=2025年= はじめに
1.母港艦船の動き
2.情報収集艦
3.補助・補給艦
4.戦闘艦の動き
6.朝鮮国連軍参加国艦船
2025年 寄港艦船の一覧


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