木更津の場周経路、オスプレイには鬼門
東側の場周経路は西側よりり高度が高いが、オスプレイは滑空で滑走路に届かない
2004年8月に、普天間基地所属のCH53D重輸送ヘリが沖縄国際大学キャンパスに墜落する大事故が起きた。その後、「普天間基地場周経路の安全性」という報告が日米合同委員会で合意され た。安全性の根拠は、オートローテーション機能を使えば、場周経路を飛ぶヘリは、安全に普天間基地のフェンスの中に戻れる、というものだった。それだけだった。
オートローテーションで安全に降りられないオスプレイが普天間に配備されて、日米合同委員会で確認された「安全性」が吹き飛んだ。
普天間基地の場周経路を飛ぶオスプレイが、エンジンが停止した時に滑空しても安全に普天間基地に戻ることができないためだ。この結果は、木更津基地の場周経路を飛ぶオスプレイでも同じで、木更津基地に滑空で到達できない。
木更津でオスプレイが主に飛ぶ西側の固定翼機の場周経路で、トラブル時に滑空しても無事に到達できない範囲を、「問題点ー2」で黒い線で図示した。
状況次第でオスプレイが飛ぶ東側の場周経路は、西側より150m高いから、滑空比4.5で700m足らず滑空距離が延びるだけだ。「問題点ー2」の黒い線はベースレッグまでかかる。そして、その下には西側場周経路よりはるかに人家が密集している。
また、もしヘリモードで場周経路を飛んでいたら、滑空に切り替えた時の滑空比は2(防衛省)だから、ますます無事に滑走路上に戻ることは難しくなる。
どんな飛び方をしても、エンジンが止まったらオスプレイはまず木更津基地にはもどれない。もともと、ヘリにとっての最後の頼みの綱のオートローテーション機能が安全に働かないオスプレイだ。木更津で飛ぼうが普天間で飛ぼうが、危険な軍用機であることに変わりはない。
(RIMPEACE編集部)
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2015-11-22|HOME|