シリーズ「音響測定艦の動きを探る」−3

今後の音響測定艦と低周波アクティブソナーの配備計画


「低周波アクティブソナーが環境に与える影響についての補足文書」より

低周波アクティブ(LFA)ソナーを積んでいる音響測定艦は、今のところコリー・ショウエストとインペッカブルの2隻だけだ。今後LFAのコンパクト版を残り3隻の音響測定艦に積むスケジュールが、SEIS文書に載っている。

コリー・ショウエストに搭載されたLFAソナーが、限定的な条件のもとにテスト・トレーニングとして使用が開始されたのは2003年1月、そして最新の音響測定艦インペッカブルに搭載されて使用が開始されたのがその翌年だ。04年3月にインペッカブルは初めて横浜ノースドックに寄港した。
初めの計画では、このLFAソナーをインペッカブルに搭載した時点で、コリー・ショウエストは退役(MSCとの契約終了)となるはずだった。インペッカブルが寄港するようになってからも、度々ノースドックに入港するコリー・ショウエストを見るたびに、今度こそ退役のためにMSC極東司令部に来たのか、と考えたものだ。
実際には、LFAソナーが2システム必要だということにして、コリー・ショウエストの退役予定は、08会計年度末(2008.9末)まで延長された。

上掲のスケジュール表によれば、コリー・ショウエストの退役前にビクトリアス(T‐AGOS19)にコンパクト版LFAソナー(CLFA)が搭載される。その後10会計年度にエフェクティブ(T‐AGOS21)に、11会計年度にロイヤル(T‐AGOS22)に搭載される。その時点でインペッカブル(T‐AGOS23)と合わせて米海軍は4隻の低周波ソナー搭載艦を運用することになる。(20番の音響測定艦エイブル(T‐AGOS20)は2003年に退役して予備艦船となっている)

横浜ノースドックを事実上の母港とする音響測定艦が、5年後にはすべて「クジラ殺し」の低周波アクティブソナーを装備して、中国や北朝鮮の潜水艦探索の第一線に出ていくのだ。

(RIMPEACE編集部)

1.はじめに
2.音響測定艦の活動領域
3.今後の音響測定艦と低周波アクティブソナーの配備計画(このページ)
4.LFA搭載艦の横浜ノースドック寄港後の動き


'2006-5-7|HOME|