議論から逃げた米軍に、満腔の怒りをこめて


                          1999年11月1日 第35戦闘航空団司令官   スティーブン G ウッド様                      三沢市議   伊 藤 裕 希                         (住所、電話番号)               < 抗 議 文 >  米軍三沢報道部を通じて10月27日、米軍側では私の再質問状への再回答を拒否する 旨を最終的に確認しました。  肝心の質問に何ら答えず、その理由も明らかにせず再回答を拒否したことに、私はあな たに大なる不信と怒りをもって抗議の意志を表明します。  私はアメリカという国は議論を大切にする国だと理解してきました。今回の問題はそも そもあなたが私を名指しで公的機関に中傷したのに端を発しています。議論をしかけてお きながら、途中で議論から逃げるのを日本では「卑怯者」といいます。  今、合衆国で進められている大統領予備選で、もし候補者が相手に対する中傷を「だっ てそうに違いないから」というだけで議論に応じなければ、どんな判定を米国民から受け るかは火を見るより明らかではないでしょうか。 (A)そもそも今回の件は「三沢市議の伊藤裕希議員が発表した内容の誤りを正したい」  とのあなたの9月24日付文書から始まりました。   私が名指しで批判された以上、批判される覚えがない私としては自らの見解を明らか  にし、己の名誉回復を図ろうとするのは当然のことです。   その手段としてあなた宛に「公開質問状」を出し、その回答は得ましたが、肝心の「  学校仮想標的」の件はあいまいであり、意図的にか質問に答えない姿勢に終始しました  。私としては当然のことながら納得できず、再質問状を提出したわけです。   これに対する回答を拒否するということは、特段の理由がない以上「小学校は仮想標  的だった」と自ら認めたも同然と理解しますが、異議はありませんね。   具体的には  1.私が発表したとされる「内容の誤り」の具体的根拠を示せなかった  2.三角マークの「特定の目標」は攻撃目標ではないか、に何ら答えられない  ということが明らかになりました。つまりこのように、答えられないということが「答  」であり、私の発表には誤りはなく、攻撃目標の一つが小学校だったと理解することに  異存はありませんね。   米軍の飛行隊のなかにはダム爆撃作戦の貫徹を記念して「ダムバスターズ」と呼ばれ  る飛行隊があると聞いています。もし、あなたが今回の議論から逃げるならば、私を含  めた多くの日本人は、あなた方「第35戦闘航空団」を「School bomber  」として末永く記憶にとどめるでしょう。(いっそ、配下のF16のテイルコードを「  WW」から「SB」に改めたら、との声も出てくるかもしれません) (B)さて、この問題は今や私とあなたの関係にとどまらず、日本国内の大きな政治問題  に発展しつつあります。   さる10月15日には「渉外関係主要都道県知事連絡協議会」(14自治体)が模擬  対地攻撃訓練の中止を求め、更には10月27日、「北海道東北地方知事会議」(新潟  県含む8自治体)が改めて低空飛行訓練の中止を求めていることからもおわかりのこと  と思います。   今、あなた方にとってより肝心なことは、これら日本国内の切実な住民の声にどこま  で応えるか否かです。1998年2月に起きたイタリアでの米海兵隊低空飛行訓練によ  る20人死亡のゴンドラ事故がいつ起きても不思議ではないのが日本国内の実態です。   私の再質問を無視するだけならまだしも、これらの切実な声もあなた方が無視するよ  うなら、私や関係自治体はもちろん、多くの日本国民の不信と怒りを増幅させるだけで  なくイタリア事故以上の大惨事は不可避であることを最後に申し添えておきます。   このような現状を許しているわが日本政府の情けない政策を根底から変革することが  大前提であることを承知のうえで、あなたの私に対する不誠実で傲慢な対応に腹の底か  らの不信と怒りの気持ちを消せないというのが今の正直な心境です。


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