三沢基地から回答が来た!

伊藤裕希市議が、三沢の第35戦闘航空団司令官に出した 公開質問状に、返事が来た。ほとんどの質問に答えていない代物だが、答えを出したということ自体は評価しよう。再質問に対して、今回の例に習い基地側が再回答で応じてくれば、民間施設攻撃訓練の実態が明らかになっていくだろう。米軍の訓練についての質問に回答を出すこともまた、前代未聞だが、今度はもっと質問に即した答えを準備して下さいネ、フォスさん!


平成11年10月8日 三沢市議 伊藤裕希 様 拝啓 本年9月29日に受領いたしました貴職よりの書簡に回答させていただきます。三 沢基地司令官ウッド准将の報道官として、貴職の質問に回答させていただくことは適切 であると思います。 敬具 第35戦闘航空団報道部長 大尉 クラウディア M.フォス 1. 貴職より、学校が標的になっていると発表されましたが、私共は学校を仮想 標的にするような訓練は実施しておりません。 2. 事故調査報告書のAA−3及びAA−4頁の説明は以下の通りです。 (1) 地図に示されたポイント3から5は、今回の任務のための飛行ルートで す。それらのポイントは、操縦士が飛行を実施する際、彼らを誘導する のに使うナビゲーションターンポイントです。 (2) 四角のマークで示されたポイント7は、ターゲットランの開始地点を意 味します。 (3) 三角のマークで示されたポイント8は、特定の目標を意味します。 (4) 1から4の番号については、意味を持つものではありません。それらの 番号については、地図上に以前から記載されていたもので、今回の任務 とは関連のないものです。 (5) 空対地カードは、操縦士が飛行運用の際、ナビゲーション及び訓練デー タとして使用するものです。 第35戦闘航空団の実施する全ての飛行訓練は、国際民間航空期間(ICAO)が定 める国際航空基準に従い、かつ日本の航空規則を厳格に遵守して実施されています。私共 は、飛行運用を計画する際、地域の環境保護も含め、全ての要素を考慮しています。 敬具 第35戦闘航空団報道部長 大尉 クラウディア M.フォス

以上が三沢の第35戦闘航空団からの公式な回答だ。公開質問状と比べてもらえば、ほとんどの質問に
答えていないことは明白だが、目新しいことも2点あった。
8番の三角のマーク(上ノ国町大崎地区の上につけられた三角マーク)が「特定の目標」を意味すると
認めたこと。単なる通過点だ、と米国公使が述べたとのことだが、この発言は米軍第35戦闘航空団に
よって公式に否定されたことになる。この「特定の目標」がどんな訓練についての目標かが問題になる。
この訓練飛行は対地攻撃に係わる飛行だったと報告書に書かれている。当然この「特定の目標」は攻撃
目標だった、ととるのが素直な読み方だし、報告書の「様々なターゲットを何度も攻撃する」という記
述にも合致する。その辺りを、フォスさんに聞いてみたいところだ。
次ぎに、「地図上に以前から記載されていたもの」というくだりだ。つまり、この地図は昔から何度も
コピーして使ってきたものなのだ。目撃証言にあるように、F16は上ノ国に何度も飛来している。
その時の作戦マップには灯台や学校が番号付きで載っていたということになる。伊藤市議も私たちも、
小学校が爆撃目標になった疑いが極めて強いことについて、98年7月24日の訓練飛行だけを問題に
しているのではない。毎月一回以上のペースで飛んでくるF16の飛行全部に、小学校や民間施設爆撃
の強い疑いをかけているのだ。「地図上に以前から記載されていたもの」という回答は、この疑いを余
計強いものにした。
「私共は学校を仮想標的にするような訓練は実施しておりません」と何べん繰り返しても、説得力はな
い。第35戦闘航空団の内部でしか通用しない論理だし、そのことは軍と民間の接点という役柄の広報
部長は百も承知のはずだが。
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