三沢基地の広報担当は不在かな


米軍三沢基地のF16部隊司令官が、「我々は小学校を標的にはしていない。伊藤裕希市議の
記者発表は間違いだ。市議会議長は善処してほしい」という文書に、米軍が作った日本語訳を
つけて、9月24日に三沢市役所に持ってきた。( 三沢・F16司令官、愚論ヲ吐ケリ

応対した三沢市長の反応は「学校を目標にしていないことをちゃんと司令官から聞けて安心だ」
と話し、今回の(司令官の)反論を評価した(99.9.25 デーリー東北)という。
同紙にはもちろん伊藤裕希市議の反論も載っているが、これについては、近々伊藤市議本人から
反論文書が出される予定なので、ここでは敢えて言及しない。しかし、米軍司令官が文書持参で、
直接本人にではなく、議長に個人名をあげて善処を要請するなんて、前代未聞ではなかろうか。

小学校標的問題が、北海道新聞をはじめ地元紙にこれだけ大きく取り上げられたのは、それを
裏付ける資料が、米軍の事故報告書という公文書の中に含まれていたからだ。これらの報道を
誤報と言うのならば、先ずすべきことは、三沢基地の広報担当者が記者会見して資料を示して
反論することだろう。こういう時のために、広報担当士官が各部隊に配置されているはずなのだが。

米軍は記者会見で資料をもとに議論する自信がなくて、市議会議長に泣きついてきたのかもしれ
ない。いやいや、そうではない、泣きついたのは三沢市の幹部たちだ、という見方もある。
英文の事故報告書を全部読むつもりはない、と答えている三沢市幹部は、このままでは市議会の
質疑で何か答える根拠がない。それで米軍に「泣きついて」学校を標的にはしていない、と
「ちゃんと聞かせて」もらった、という見方だ。穿った見方かもしれないが、何の根拠もなしに
「米軍はやっていない」とだけ言って帰る司令官と、それを聞いて「安心した」市長のやりとり
を見ると、案外この見方が当たっているのかな、という気もしないでもない。
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