相模補給廠の訓練支援センター建設、当面キャンセル


訓練支援センター建設業者募集のキャンセルを知らせるFBOの通知

相模補給廠内に(戦闘指揮訓練センターとは別の)訓練支援センターを建設する工事を請け負う業者の応募要項がキャンセルされた。 キャンセルの理由は、敷地の土壌汚染の可能性、とのことだ。
6月29日付で、ウェブで公表されたのは7月に入ってからだった。

この建設工事の応募要項については、09年10月29日付けで事前通知が出され、09年12月3日付けで事前に名乗りを上げた業者 にのみ配布、そして10年1月15日付けで入札の無期限延期が公告されていた。

注意すべきは、この訓練支援センターの設立自体がキャンセルになったわけではないということだ。
キャンセル理由が「敷地の土壌汚染の可能性」だから、補給廠内の別の場所を選んで、建設計画を作り直す可能性が十分残っている。

また、この土壌汚染の可能性がある場所がどこなのか、というのも大きな問題だ。周りに住宅密集地がある補給廠でどんな汚染物質が 見つかり、環境への影響をどう食い止めるのかは米軍はもちろんのこと日本政府や地元相模原市にとって、緊急に解明しなければなら ない問題だ。
昨年12月に業者に配布した応募要項には建設予定地の情報が当然入っているはずだ。また米軍が行った土壌のサンプルチェックの 結果も、直ちに公表が必要だ。

相模補給廠はベトナム戦争当時、戦場で破壊された戦車や装甲車を運び込み、洗浄し修理してベトナム戦線に送り返す大修理工場の機能 を備えていた。洗浄の過程で出たカドミウムの入った廃液を、補給廠内に埋設処理している(元基地従業員の証言)
カドミウムに限らず何が埋まっていても不思議でないのが、補給廠の敷地だ。今回明らかになった土壌汚染は氷山の一角といってもいい。 土壌汚染の実態調査と真相究明がない限り、基地周辺住民の健康被害の恐れはなくならない。

(RIMPEACE編集部)


元基地従業員の指摘したカドミウム埋設現場。証拠隠滅のためか、掘り返し作業が進行中だった(1994.4.24 撮影)

[関連ページ]

  • 相模補給廠に訓練支援センター建設へ @(09.11.12更新)
  • 相模補給廠に訓練支援センター建設へ A(09.11.12更新)
  • 相模補給廠に訓練支援センター建設へ B(09.11.15更新)
  • 相模補給廠に訓練支援センター建設へ C(09.11.15更新)
  • 相模補給廠に訓練支援センター建設へ D(09.11.20更新)
  • 訓練支援センター契約手続き遅れる(09.11.22更新)

    2010-7-17|HOME|