佐世保母港艦船の動き


概要
佐世保基地には2021年12月末現在、揚陸艦5隻、掃海艦4隻が配備され、沖縄県うるま市のホワイトビーチ基地に司令部を置く第1揚陸即応軍(ARG−1)指揮下で第11揚陸戦隊(COMPHIBRON−11)を編成し、司令部は強襲揚陸艦アメリカの艦上にある。

強襲揚陸艦アメリカはF35BUライトニングなどの航空機運用能力を強化するためウエル・デッキを廃止しことで、LCACやLCUなど小型舟艇の運用が出来ない。

その補強のためか、小型舟艇が運用できるドック型輸送揚陸艦ニューオルリンズが2020年4月から追加配備されてきた。

また、配備から10年を経過したドック型揚陸艦ジャーマンタウンは10月に佐世保を離れて米本土に戻り、代わりにカリフォルニア州サンディエゴ海軍基地から同型のラシュモアが11月に配備された。

港湾などの水路の機雷除去にあたる米海軍の掃海艦は現在、全世界で8隻にまで減少しているが、米海軍の艦隊建造計画(Shipbuilding Plans)によると順次沿海域戦闘艦(LCS)に置き換える計画が進んでいる。昨年12月現在、2種類で合計21隻まで調達が進んでおり、今後調達が進めば佐世保基地に4隻配備されている掃海艦は近い将来、すべて退役することになるだろう。

掃海艦が配備されているのは佐世保以外では中東バーレーン・マナマ基地(4隻)だけで、掃海艦隊司令部があったテキサス州イングリサイド海軍基地は数年前に閉鎖されている。

LCSは2021年末現在、21隻が就役または就役準備中。このほか5隻が建造中となっている。

艦隊の動き
佐世保に配備されている揚陸艦隊は新型肺炎の影響で単独あるいは複数国間の訓練は減少した。

揚陸艦隊は例年のとおり新年休暇が明けた後、1月中旬からさまざまなトレーニングを行ったが、フィリピン海から出ることはなく、海軍・海兵隊の合同訓練AIT/CERTEXおよびPHOTOEXが主要なものとなった。

8月には空母クイーン・エリザベスを中心とした英国海軍艦隊が日本周辺に展開したが、その時は強襲揚陸艦アメリカが沖縄南方海域で海上自衛隊の護衛艦「いせ」と「あさひ」とともにPHOTOEXに参加した。

目立ったのは強襲揚陸艦としての存在をキャンペーンするためなのか、航海中の艦船が密集した状態で写真に写る「PHOTOEX」が主要な任務かと思えるほどで、1月から5月に戻ってくるまでの間、合計6回もPHOTOEXに参加していた。

掃海艦隊では11月20日から宮崎県沖の日向灘で行われた日米共同掃海訓練(MCMEX)にチーフが参加した。

佐世保を母港としている艦船で、参加した訓練や海外の寄港地などが判明したものは次の表のとおり。



(RIMPEACE編集委員・佐世保)


米海軍佐世保基地の動き=2021年= はじめに
情報収集艦は減少 測量艦の寄港はなし
洋上補給艦は減少
戦闘艦の動き
高速輸送艦・揚陸補助艦
増加した朝鮮国連軍参加国艦船
2021年入港艦船一覧


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