洋上補給艦は減少


佐世保港に寄港する米軍艦船では燃料補給艦(AO)、貨物弾薬補給艦(AKE)、高速戦闘支援艦(AOE)といった洋上補給艦が主要な艦種だが、入港数では増減を繰り返している。

(16年79回、17年59回、18年46回、19年64回、20年76回、21年54回)

入港した艦船の用途別(作戦艦、洋上補給艦、貨物輸送艦、燃料輸送船、情報収集艦、各種補助艦船)の割合では洋上補給艦が50%を占め、これまで同様に最も多くなっている。

なかでも弾薬、食糧、被服、備品、燃料を統合して洋上補給できるルイス&クラーク級貨物弾薬補給艦(満載排水量4万トン超 艦種記号=AKE)が2008年の初寄港以来、寄港回数が増えており、洋上補給艦全体の72.2%(18年は69・6% 19年は57・8% 20年は52・9%)と大半を占めている。

理由としては艦船や航空機の燃料を補給する燃料補給艦(満載排水量4万2千トン、艦種記号=AO)、空母戦闘群に随伴して行動する高速戦闘支援艦(満載排水量4万9千トン、艦種記号=AOE)の任務も一部受け持ったこと、佐世保基地の弾薬設備の老朽化で最新型のミサイルや爆弾などが貯蔵できないため必要なだけの少量補給が増えたためと思われる。

20年に引き続き、新型肺炎対策で空母や巡洋艦、駆逐艦などの洋上作戦艦が寄港を敬遠し、洋上補給に切り替えているようだ。

なお、米海軍は貨物弾薬補給艦を21年12月現在、14隻(うち1隻は建造中)運用しているが、そのうちの2隻(ルイス&クラーク、サカジャウィア)は海兵隊専用として運用されている。

一方、燃料補給艦の寄港回数は最多だった2008年(33回)の半数以下になり、燃料を搬入する大型タンカー(戦略給油船 AOT)は10回(20年は15回)と減少した。

現在運用されているヘンリー・J・カイザー級の燃料補給艦は1986年から運用が始まり、1995年に最終艦のラパハノックが就役しており、老朽化が指摘されていた。このため米海軍の将来艦隊計画によると、燃料補給艦は新型への更新が計画されていたが、1番艦のジョン・ルイスが就役した。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)


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