在日米軍の矛先は?

3月27日付けの星条旗新聞に、中東に展開する米太平洋軍の部隊が載っていた。在日米軍基地関係は次の通り。三沢、嘉手納の空軍部隊は、それぞれの部隊の一部が行っている。また、この他沖縄の海兵隊も「ある限られた数だけ」行っているとのことだ。(この記事はなぜかWEB版には載っていない)

AIR FORCE

35th Fighter Wing,Misawa Air Base

18th Wing, Kadena Air Base

NAVY

KITTY HAWK BATTLE GROUP

USS Kitty Hawk(CV 63) (YOKOSUKA)

Carrier Air Wing 5 (ATSUGI)

USS Cowpens(CG 63) (YOKOSUKA)

USS John S.McCain(DDG 56) (YOKOSUKA)

USNS Flint(T-AE 32)

USNS Rappahanock(T-AO 204)

MIDDLE EAST FORCE

USS O'Kane(DDG 77) (Pearl Harbor)

USS Vandegrift(FFG 48) (YOKOSUKA)

USS Garry(FFG 51) (YOKOSUKA)

             <以上星条旗新聞03.3.27より>

厚木の第5空母航空団が、さかんにテレビに出ているイラク空爆の主力だ。カウペンスとJSマケインからはトマホークが発射されている。フリントは弾薬輸送艦。ラパハナックはタンカーだ。ラパハナックはキティーホークがペルシャ湾に向かうときには同行したが、すでに日本近海に戻ってきていて、今は佐世保に入港している。フォールイーグルに参加した佐世保の揚陸艦などに燃料補給をしたと考えられる。
KITTY HAWK BATTLE GROUPとは別に分類されているバンデグリフトとギャリーは、直接の攻撃に加わるのではなく、ペルシャ湾を航行する民間船舶の臨検を行っているものと思われる。

これ以外の横須賀の艦船の動きについては、
横須賀の米軍艦船は今どこにいるか(03.3.23更新)
続・横須賀の米軍艦船は今どこにいるか(03.3.29更新)
を見ていただきたい。カールビンソンに同行して米韓合同演習に参加した船、東南アジアを訪問してプレゼンスを示す第7艦隊旗艦など、在日米軍基地がイラク一色で動いているのではないことがわかる。

佐世保の揚陸艦群は、当初フィリピンに出かけ、フィリピン軍と合同で「イスラム過激派」掃討作戦に参加するはずだった。しかし、外国軍の国内での戦闘を禁止するフィリピン憲法の制約で合同作戦が取りやめになり、ジュノーやエセックスは空母カールビンソンとともにフォールイーグル演習に参加した。本来ならば「対テロ戦の一環」として、フィリピンなどに向くはずの佐世保艦隊の矛先は、北朝鮮に向かった。

在日米陸軍基地相模補給廠の物資の動きとしては、昨年9月から10月初めのフォース・プロバイダー(基地パッケージ)の中東向け搬出が主なものだった。
基地パッケージ第二弾、やはり中東行きか。本牧から10月6日搬出(02.10.8)
基地パッケージの行き先はアラブ首長国連邦の可能性が大、相模補給廠から本牧経由(02.10.1)
ベースキャンプセットの搬出が続く相模補給廠(金子ときお)(02.9.30)
相模補給廠からカラチへ?基地パッケージ、横浜港から積出し(02.9.29)
大量のコンテナ、 相模総合補給廠から搬出(金子ときお)(02.9.25)
以上のページを参照されたい。
今年の2月から3月初めにかけては、補給廠内のDRMO(国防再利用事務所)から横浜に向けて数十台の軍用トラック(中古品)が運ばれた。イラクや北朝鮮との戦いに備える最新の車両ではない。海外に売却もしくは供与するものだろうが、時期的に見て、フィリピンもしくはインドネシアあたりに運ばれるのではないだろうか。軍の直接の動きとは別だが、これも矛先がさまざまなところに向いている証拠ではなかろうか。 国道16号を横浜方向に運ばれる軍用車両の写真も参照されたい。

佐世保基地、岩国基地関連の動きは、別稿で触れる予定だ。

RIMPEACE編集部


'2003-3-30|HOME|