マヤカシの艦載機移駐は許さない

1.はじめに


厚木の艦載機を岩国に移転。米軍再編の中間報告での「目玉」の一つだ。
空母ミッドウェーが横須賀に配備され艦載機が厚木基地に飛来した1973年以来、厚木基地周辺住民は艦載機の爆音に悩まされ、以前から繰り返されてきた墜落事故の再発の恐怖にさいなまれてきた。

わたしたちは、爆音や事故の恐怖が岩国に移ることに反対だ。それでは基地被害のたらい回しでしかない。米軍が本国に戻ること以外に、本質的な解決はありえないと考えている。
ところが、防衛庁は当然として、厚木基地周辺自治体の首長の中には、この岩国への艦載機の移転をもろ手を挙げて歓迎する向きもある。曰く、厚木基地の騒音は今よりもましになる、うんぬん。
本当にそうなのだろうか?

これまでの厚木基地の動き、中間報告の文面、防衛施設庁の説明。これらを重ねあわせてみると、艦載機の移転はマヤカシであって、実際には厚木の爆音は解消されないのではないか、という疑いが強くならざるを得ない。

・厚木から移転すれば不必要となるはずの訓練空域。
・艦載機の格納庫エリアの返還問題。
わたしたちは、これらの問題を検討して、この米軍再編によって、厚木基地、岩国基地の双方で基地被害が増大する、という「最悪のシナリオ」が現実化することも十二分にありうる、と結論せざるを得ない。
アメとムチの両面を持つといわれる米軍再編の中で、神奈川県にとって大きなアメと見られている艦載機の移転が、実はアメとは言えないということを声を大にして訴えたいと思う。

(岡本聖哉・大和市議、金子ときお・相模原市議、編集部)


マヤカシの艦載機移駐は許さない 目 次
1.はじめに(このページ)

2.移駐後、訓練空域はどうなる?

3.艦載機の格納庫・駐機場区域はどうなる?

4.最悪のシナリオを避けるために


マヤカシの艦載機移駐は許さない 秘密空域の存在
米軍公式文書が語る、艦載機の訓練空域の実態

資料1. 日本周辺の訓練空域

資料2. 訓練空域設定関連の国会審議と、米軍空域設定の「根拠」

資料3. 事故当日の厚木の艦載機の飛行計画書


'2006-3-3|HOME|